承認欲求からSNSに夢中になる人は多い。閲覧数を稼ごうと過激な写真や内容を投稿しインフルエンサーが炎上するケースは後を絶たない。「法の番人」とも呼ばれる裁判官の男はSNSの危険性を熟知しているはずだが、なぜ自らの白ブリーフ姿や裸の写真を投稿したり、他人を傷けるような投稿をしていたのか……。
SNSへの投稿で殺人事件の被害者遺族を傷つけるなどして訴追された仙台高裁の岡口基一裁判官(58)の弾劾裁判。その判決が4月3日に言い渡された。結果は失職を意味する罷免。岡口判事は法曹資格を失い、数千万円にも上る退職金も受け取れないことが確定した。今後、弁護士としても活動できない。
「国会議員で裁判員が構成される弾劾裁判で、裁判官が罷免されるのは戦後8人目で、11年ぶりでした。裁判官の地位は独立性が高く、相当のことがないと罷免されません。これまでの罷免者は性犯罪者など誰が見ても失格というケースでしたが、岡口裁判官は不適切なSNS投稿を繰り返したものの刑事事件の被告ではありません。
結果が注目されていましたが、弾劾裁判の裁判員らは『表現の自由として裁判官に許される限度を逸脱している』として、3分の2以上が罷免に賛成し、今回の判決となりました」(司法担当記者)
岡口判事のSNS投稿による問題は約10年間、裁判所関係者を悩ませてきた。