スポーツ

外国馬は来日しなくなったけれど、外国人騎手は日本の競馬が大好き そこにある「他の国では味わえないない高揚感」

外国人騎手は日本の競馬をどう見ているのか、蛯名正義氏が語る

外国人騎手は日本の競馬をどう見ているのか、蛯名正義氏が語る

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏は、2022年3月から調教師として活動中だ。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、外国馬、外国人騎手と日本の競馬についてお届けする。

 * * *
 ドバイワールドカップデーは終わりましたが、今週末の6日(土)もオーストラリアで1着賞金約2億円のドンカスターマイルが行なわれ、日本からオオバンブルマイが出走します。彼は2023年のNHKマイルカップでは3着まででしたが、秋にはオーストラリアのゴールデンイーグルというレースで優勝して賞金約5億円をゲット。今回のレースでも前走と同じオーストラリアの騎手の手綱で臨みます。

 これだけ日本馬が海外の高額賞金レースを目指すと、日本で行なわれるGIレースはどうなるのか。有力馬が揃わなかったり、リーディング上位ジョッキーも遠征したりすると、馬券の売り上げにも影響してくることが懸念されます。

 日本馬が海外で活躍する一方、日本に外国馬が遠征してくることが少なくなりました。日本の賞金は平均的に高いけれど、海外のホースマンの目的はお金だけじゃないようです。アラブの王族にとって競馬は趣味だし、欧米ではその馬がレースでいくら稼ぐかも大事ですが、種牡馬としての価値が最も重視されるのです。

 1200mや1600mのレースに香港から強い馬がやってきた時期があったけれど、日本馬のレベルが高くなると、やはりそのホームグラウンドである日本にわざわざ出かけていこうとは思わなくなります。

 また日本のように1日にGIが1レースしかないと、他の馬を連れて来づらくなっているのだと思います。僕が1995年に香港国際カップを勝った時、フジヤマケンザンにとっては3回目の香港遠征でした。前の2回と違ったのは、森秀行厩舎の馬2頭も一緒に行ったことでした。現地で一緒に調教できて、馬も人間もいつもと同じ雰囲気でいられたのが大きかったと思います。他の2頭もいい競馬をすることができました。

 日本のビッグレースがある時期は、海外でもシーズンが重なっています。世界の競馬地図を見ると、日本だけ孤立している感じは否めません。ただ、2024年から、海外の厩舎に所属して走ったことがある馬も、条件付きながら、日本で競走馬登録ができるようになりました。どうなるか見守りたいと思います。

関連キーワード

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン