国内

暖かくなると出てくる「旧車會」 マナー悪化でトラブルが頻発

ナンバープレートを折り曲げ集団走行する「旧車會」[福岡県警提供](イメージ、時事通信フォト)

ナンバープレートを折り曲げ集団走行する「旧車會」[福岡県警提供](イメージ、時事通信フォト)

 かつてSNSには暴走族を珍走団と言い換え、いきがっている彼らは格好良くないというイメージを浸透させようという動きがあった。その影響もあるのか、近ごろはみずからを暴走族と名乗るグループはかつてと比べて激減している。そして今、じわじわと増えているのが「#旧車會」「#旧車會迷惑」というハッシュタグだ。ライターの宮添優氏が、ときに子連れで爆音を振りまき、暴走族と比べて年齢層が高めの集団走行に悩まされる地元住民たちの声をレポートする。

 * * *
 寒かった冬が終わり、思わず外へ出かけたくなるような春の気配を感じる今日この頃。朝から晩まで過ごしやすく、それだけでも気分も上がりそうなものだが、埼玉県在住の主婦・森田千春さんの表情は暗い。

「暖かくなるとね、また出てくるんですよ、虫と一緒でね。近所の住民はみんな迷惑しているのに、警察は何も言ってくれないし、あれは暴走族ではない、とまで言うんですよ。じゃあ、あの人たちは一体何なんですかと」(森田さん)

 森田さんが憤慨しているのは、近年、春から秋にかけて主に土日に出没するバイクの集団である。森田さんはこの集団を「暴走族」と断定するが、彼らは「旧車會」を自称する集団で、厳密に言えば暴走族とは違う、とされる。しかし、森田さんのような一般市民からしてみれば、爆音を轟かせる何十台ものバイクの集団であれば、すなわち「暴走族」と判断するのも無理はない。

成り立ちは法令遵守

 実は筆者も、20年以上前にはなるが、知人の勘違いからこの旧車會のツーリングに参加せざるをなくなった経験がある。当時高校生だった筆者は国産のアメリカンバイクに乗っていたが、知人から「古いバイクが集まるツーリングがある」と誘われて向かったところ、そこにいたのは100台近くの、まるっきり「暴走族仕様」のバイクだったのだ。前面を大きく覆うカウルをはじめ、ハンドルやシートなどに改造を施した暴走族仕様のバイクに囲まれたあのときの自分は、警察からも「何で君がここにいるの?巻き込まれたの?」と言われるほど浮いていた。

 思い返せば当時の彼らも、みずからを「暴走族」とは名乗っていなかった。いったい、何が違っていたのか。

「昔は買えなかった高価なバイクを大人になってから購入し、みんなでツーリングして楽しもうと言うのが、そもそもの旧車會の成り立ちだからね」

 こう解説するのは、約20年前のツーリング参加時に、筆者を可愛がってくれた旧車會の元リーダー格の男性(50代)だ。

関連記事

トピックス

7月から記者職となったテレ朝の並木アナ
テレビ朝日・並木万里菜アナ(28)「記者転身」で『報ステ』加入の “因縁のミスコンライバル”と共演期待
NEWSポストセブン
難局は続く(左から炎鵬、宮城野親方)
元横綱・白鵬の宮城野親方、“部屋再興計画”が崩壊危機 弟子4人が新たに引退し、序ノ口まで番付を落とした炎鵬は年寄株が襲名できない崖っぷち
週刊ポスト
「国産だから安全」とはもう言えなくなっている(写真/PIXTA)
「国産牛肉」の懸念点として指摘される“えさ”のリスク、ほとんどが輸入飼料 外国産トウモロコシは遺伝子組み換え品種が一般的
女性セブン
力道山の本葬にて喪主を務めた田中敬子さん
【力道山生誕100周年】「奥さまに社長をやっていただくことになります」力道山の妻・田中敬子さんに夫の死後突きつけられた「相続」という難題
NEWSポストセブン
石丸旋風の陰には「伝説の選挙参謀」が(時事通信フォト)
【石丸伸二フィーバーの真実】都知事選を支えた“伝説の選挙参謀”は「一番楽しかった」バックに組織がなくても“小池陣営より先にポスター貼り”
週刊ポスト
皇后雅子さまの“ロイヤルファッション”をチェック 長らく愛用されているストールはCHANELのもの、沖縄で「かりゆしワンピース」など
皇后雅子さまの“ロイヤルファッション”をチェック 長らく愛用されているストールはCHANELのもの、沖縄で「かりゆしワンピース」など
女性セブン
中学時代はバスケ部で活躍していたという(SNSより)
《旭川女子高生殺害》事件直前に助け求めたコンビニ店を責める正義の暴走 他のコンビニ店員「時給1000円とかでそこまで担うのは勘弁」
NEWSポストセブン
渋谷被告
《宇宙人から助かるため男女の関係に…》一夫多妻70代ハーレム男が10代女性を騙した手口 弁護士は「彼は宇宙人に会った」【性的暴行事件・初公判】
NEWSポストセブン
愛子さまの“令和のファッション”をチェック 卒業式での「手描き友禅の振り袖」、志賀高原のPRキャラ「おこみん」のTシャツなど
愛子さまの“令和のファッション”をチェック 卒業式での「手描き友禅の振り袖」、志賀高原のPRキャラ「おこみん」のTシャツなど
女性セブン
アパートでは男性アイドルの追っかけ同士で生活していたという
《メン地下アイドルに月100万円》北川望歩容疑者(22)乳児をゴミ箱に遺棄した後もSNSに投稿し続けていた“推しメン”とのツーショット写真 「のあち、産んだねー」周囲でも噂になっていた妊娠
NEWSポストセブン
物議を醸している下着姿で着替える姿(インスタグラムより)
「なんでわざわざ下着見せるの?」古着店の“女性スタッフお着替えSNS”が物議 会社代表が語った“採用理由”「集客のためにみんなで話し合って決めた」「カルバン・クラインならガッツリにならない」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 地元取材でわかった「岸田落選」あるゾ!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 地元取材でわかった「岸田落選」あるゾ!ほか
NEWSポストセブン