これも人気者の宿命というべきか。大谷翔平(29才)が思わぬ騒動に巻き込まれている。大谷は3日のジャイアンツ戦で移籍後初ホームランを放ったが、記念ボールをキャッチした観客が警備員に囲まれて別室に連れて行かれ、記念ボールを返すよう求められたと暴露。返還交渉に応じなければ球団はボールが本物であると公式認証せず、グッズと交換することを強要されたと主張した。
その後、球団は騒動の拡大に慌て、改めて観客を球場に招き、より貴重なグッズを渡すことを約束。和解にこぎつけたが、騒動の背景にあるのは、アメリカにおける“記念ボールビジネス”の過熱ぶりだ。
「日本でも記念ボールに高値が付くことはありますが、アメリカは額がケタ外れ。マーク・マグワイアが1998年に打った70号ホームランのボールが300万ドル(現在の為替レートで約4億5000万円)で取り引きされたのを筆頭に、バリー・ボンズのシーズン最高記録となる73号や通算756号は、いずれも数千万円で取り引きされました。
そのため、一攫千金を狙ってホームランを待ち構えるファンが球場に溢れ、中には“球場の外”で待ち構える者も。バリー・ボンズのホームランを待ち構え、AT&Tパーク(現・オラクルパーク)のライト場外の海上で、カヌーに乗ってホームランボールを奪い合うニュース映像を記憶している方も多いでしょう」(スポーツ担当記者)
米スポーツサイトは今回の大谷の記念ボールについて、「10万ドル(≒1500万円)を超える価値がある」というオークション専門家のコメントを紹介。これではファンの狂騒が止まらないのも納得だが、日本でもホームランボールを巡るトラブルがないわけではない。
「昨年、東京ドームで山田哲人(ヤクルト)がホームランを打った際、大人の男性が少年からホームランボールを奪い取ったように見えたため、ネットで大炎上。誹謗中傷や人物特定などの行為に対し、男性が弁護士を立てる騒動になりました。
山田は過去にも騒動の主になったことがあり、2017年のWBCで打ったホームラン性の打球を少年がフェンスの手前でキャッチして“幻のホームラン”に。やはりネットで少年への誹謗中傷が殺到しましたが、山田が『またグラブを持って応援に来てほしい。ぼくも完璧なホームランが打てるように頑張る』とコメントしたため、騒動はなんとか収束しました」(フリーの野球ライター)