新指揮官としての手腕が問われる巨人の阿部慎之助監督だが、中日、DeNAとの3連戦ではいずれもバントミスが目立って負け越した。4月2日の中日戦で捕手・大城卓三が2度もバントを失敗すると、6日のDeNA戦でもバントの構えから2度のファール。さらにはベテラン・丸佳浩にもバントのサインを出したが、投手ゴロとなってランナーを進めることができなかった。巨人の重鎮OBはこの采配をどう見るのか。
華麗な守備で巨人軍の名ショートとして知られ、監督としては万年Bクラスだったヤクルトと西武を常勝球団に育てた球界御意見番・広岡達朗氏(92)はこう語る。
「“バントの名手”がいるのにバントができんというのは、教え方を知らないのか、教えてはいけないと思っているのかのどちらか。私は後者だと思う」
“バントの名手”とはもちろん、通算533本の犠打で世界記録を保持する川相昌弘内野守備コーチだ。「教えてはいけないと思っている」とはどういうことか。
「前の監督の時は、傍にいるコーチたちがまったくモノを言わなかった。指揮官がバサッと人を切る人間だから、アドバイスしてうまくいかないとクビになると思ってコーチたちが黙っている。上から言われたことだけを伝えていたんです。それが阿部に監督が代わってから、周りのコーチ陣は変わったように見える。だから、期待をしている」