芸能

《賛否の声も》広瀬アリス(29)が高校生役、田中みな実(37)が大学生役 人気ドラマ2作での“実年齢とのギャップ”は制作側の狙いなのか?

田中みな実が大学生役に(時事通信フォト)

田中みな実が大学生役に(時事通信フォト)

 春ドラマが相次いでスタートしているが、2つの恋愛ドラマがストーリーとは別のところで注目を集めている。『366日』(フジテレビ系)では20代の俳優たちが高校生を、『Destiny』(テレビ朝日系)では30代の俳優たちが大学生役を演じたのだ。“実年齢とのギャップ”はSNS上でも賛否の声が上がった。若手俳優を起用しない背景には制作陣のどんな狙いがあるのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 8日に『366日』(フジテレビ系)、9日に『Destiny』(テレビ朝日系)の第1話が相次いで放送されました。

 前者は広瀬アリスさん演じる主人公が、高校時代に実らなかった恋を叶え、悲劇に直面しながらも愛を貫こうとするラブストーリー。後者は石原さとみさん演じる主人公の父や友人の死をめぐるサスペンスと、元恋人とのラブストーリーです。

 両作に共通しているのは、2つの年代を描いた作品であり、その両方を同じ俳優が演じていること。『366日』は高校生時代と28歳の社会人になった現在、『Destiny』は大学生時代と35歳の社会人になった現在の2つが描かれ、ともに「12年が過ぎた」という設定が一致しています。

 両作の第1話が放送されたとき、ネット上で最も話題となっていたのは“実年齢とのギャップ”でした。

2つの年代が交錯するストーリー

『366日』は広瀬アリスさん(29歳)、眞榮田郷敦さん(24歳)、坂東龍汰さん(26歳)、長濱ねるさん(25歳)、綱啓永さん(25歳)が高校生を演じ、『Destiny』は石原さとみさん(37歳)、亀梨和也さん(38歳)、宮澤エマさん(35歳)、矢本悠馬さん(33歳)、田中みな実さん(37歳)が大学生を演じたことに賛否の声があがっていました。

 それぞれ平均年齢25.8歳の俳優が高校生、36歳の俳優が大学生を演じたことになり、違和感の声があがるのも仕方がない感があります。もちろん制作サイドがこれを予想できなかったはずはなく、高校生は10代後半、大学生は20代前半の俳優を立てることもできたでしょう。では、なぜ年齢相応の俳優を立てなかったのか。そこにはいくつかの理由があります。

 最大の理由は、両作が時間の経過を順に描いていくものではなく、2つの年代が交錯するタイプのストーリーであること。たとえば、朝ドラのような年月の経過を順に描いていく作品は、子役からスタートして主演俳優に交代し、ごくまれに老年期を別の俳優が演じることもありました。

一方、『366日』と『Destiny』は2つの年代が交錯する構成のため、「別の俳優が演じると視聴者が混乱を招き、感情移入しづらくなるかもしれない」というリスクがあります。たとえば、『366日』は主人公の高校生時代を10代の女優が演じても、よほど似ている人でない限り広瀬アリスさんとリンクして見てもらうことは難しいでしょう。

 また、映像の割合としても、「学生時代のシーンが多く重要であるほど、多少の無理があってもメインキャストに演じてもらい、若手俳優は使わない」のがセオリー。『366日』と『Destiny』も第1話は学生時代のシーンが多かった上に、「過去の失敗や後悔があったからこそ、今このような生き方になった」という描き方をしていました。さらに「無名の若手俳優ばかりのシーンが多いと視聴をやめられてしまう」というテレビドラマならではのリスクもあります。

俳優と監督への信頼、地方ロケの努力

 次に「制作サイドが2つの年代を演じる俳優たちへの信頼が厚い」ことも理由の1つ。

『366日』の公式サイトを見ると、イントロダクションのページに「広瀬アリスさんがG帯連ドラ&月9初主演!12年前の高校時代と現代、異なる時間軸を演じ分ける!」という見出しが掲げられています。

関連記事

トピックス

フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン