静岡県内で勤務する予定だった一般職の女性たちの実に9割が入社を辞退したという、いなば食品株式会社。「募集要項に給与が22万6000円とあったが、入社の段階になって、『給与は決まっていません』と言われ、あらためて問い合わせると、19万6450円と告げられた」との『週刊文春』の報道について、NEWSポストセブン取材班が同社に問い合わせたところ、担当者が「一般職の方が、総合職のお給料として提示されていた金額と比べて、“金額が低くなった”と事実誤認されたのだと思います」と回答した。
今春、いなば食品の入社を辞退したというA子さんは、「こちらの事実誤認だと主張していますが、私たちは何も誤解していません」と反論する。
「募集要項には総合職の待遇しか書いておらず、それを見て私は総合職採用のつもりでいなば食品を受けたのですが、内定後に『一般職採用です』と言われました。ただ、『年に一度、総合職に移る機会がある』や『家賃8割負担』などと聞いて、一般職で働くことを承諾しました。
一般職の待遇については知らないまま一般職採用となったので、給与などについて何度も質問したのですが、『わからない』という回答ばかりでした」(A子さん)
いなば食品に再び問い合わせたところ、担当者が「丁寧な説明ができなかったのは、我々の落ち度です」と認めた上で、経緯を説明した。
「総合職で募集をかけていましたが、総合職での採用には至らなかった方々に『一般職という道もあります』ということでお話させていただきました。
私は外から来た人間なのですが、そういった点はとても優しい企業だと感じています。ただ、給与面も含めてしっかりとした説明ができず、内定者の方々が(情報を)把握しきれなかったというのは改善すべき点です」(いなば食品の担当者、以下同)
入社を辞退した人々のもとを社長が直々に訪問して、“謝罪行脚”をしているという。
「礼を尽くさないといけませんので、もちろん謝罪に伺っています。(社長)本人が申し訳なさを強く感じており、『すぐにでも謝罪に行きたい』と申しています。連絡が繋がらない方や、謝罪をお断りされる方もいますが、可能な限り全員に謝罪したいと感じています」