「英語が話せない」「身長が足りない」「年齢的に遅い」──海外進出を諦める理由はいくつでもあった。しかしNumber_iは成し遂げた。半年で辿り着いた。7分半、圧巻のパフォーマンスを見せつけた彼らの目の前に広がった景色は──。
その夜、世界がNumber_iを知った。黒い衣装の3人がステージに駆け込み、平野紫耀(27才)が「We are Number_i!」と叫んだ。神宮寺勇太(26才)が「Put Your hands up(拳を上げろ)!」と観客を煽り、アメリカ・カリフォルニアでのパフォーマンスが始まった。
初めての海外、それも世界最大級の音楽イベントともなれば、ステージの前に押し寄せる観客は、彼らの歌を口ずさみ、共に踊ってくれるいつものファンばかりではないことは明らかだ。チラホラとメンバーの名前が書かれたうちわを持ったファンも見受けられたが、観客のほとんどが、Number_iの存在を知らなかっただろう。
平野、神宮寺、そして岸優太(28才)はいつにも増して力強く歌い、踊った。すると観客は少しずつ体を揺らし始めた──。前々日、3人の姿は『ミュージックステーション』(以下Mステ、テレビ朝日系)のスタジオにあった。
「昨年の5月、King & Princeの5人体制で最後にMステに出演をしたときは、歌い終えた平野さんが画面越しにもわかるほど、目に涙をためていたのが印象的でした。あれから約1年、Number_iとして3人が初出演を果たしました」(テレビ局関係者)
出番を終えてテレビ朝日のスタジオを出た3人は直接、羽田空港のVIPゲートへと向かった。休む間もなく直行便に乗り込み、いざロサンゼルスへ。長いフライトを終え空港に降り立つと、3人は目を丸くした。なぜなら想像を超える大きな声援が彼らを出迎えたからだ。
「ロスの空港には、信じられないほど大勢のファンが集まっていました。日本人もいましたが、それ以上に目立ったのは中国や韓国などのアジア人のファン。待ちわびていた3人の登場に、興奮が隠せないようで、ちょっとしたパニック状態でした」(芸能関係者)
そんなファンに対して、3人は長旅の疲れも見せずに神対応。ハイタッチは当たり前、握手やサインにも丁寧に対応したのは、日本では考えられないことだが、それほどに3人も感激していたのだろう。ただ、時間には限りがある。
「出発の時間が迫ったことをスタッフから知らされると、申し訳なさそうに“ごめんね”のジェスチャーを繰り返してその場を立ち去っていきました」(前出・芸能関係者)