江本孟紀氏(76)、中畑清氏(70)、達川光男氏(68)による『週刊ポスト』の名物企画「ENT座談会」。前編では、昨年日本一の阪神について江本氏が「“アレ”にもう1つ“レ”がついて“アレレ”になる」と論じれば、中畑氏が古巣・巨人の打順について物申すなど、“大荒れ”の展開となったが、さらに後編では「順位予想の修正」も飛び出して……。【前後編の後編。前編から読む】
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中畑:ルーキーでは巨人の西舘(勇陽)も健闘しているね。アマ時代から見ていたけど、ここまで通用するピッチャーだとは思わなかった。
江本:先発では考えていないの?
中畑:オープン戦では先発をさせていたけど、三振が取れて7~9回に投げさせたいタイプでもある。若いから先発で育てたいが、チーム事情から阿部監督がリリーフに抜擢したみたいだよ。
江本:本気で優勝しようと考えたら、そういう手を使わざるを得ないけど、先発は作ろうとしないと育たないのも事実。我々の時代は、先発ができなくなった一丁上がりの人が中継ぎや抑えをやったもんです。そういう意味では、菅野(智之)を早くストッパーに転向させたほうがいいと思う。
中畑:よかった時のような力は感じないけど、うまさはあるよね。
江本:逆に、大勢を先発に回すべき。あれだけいい球を投げているんだから。菅野はプライドがあって嫌かもしれないが、コントロールはあるしピッチングは知っているから、1イニングならまだ通用する。先発だと打線の弱いチーム相手なら勝てるでしょうが、投手陣の中心にはならない。
達川:ただ、菅野と小林(誠司)を組ませたのは正解ですね。小林はリードがよくなかったが、阿部監督に「ストライクゾーンで勝負しろ。それでホームランを打たれてもOKだから」と言われてリードがよくなった。魔法の言葉ですよ。
中畑:阿部監督が誰を正捕手にするかは興味があった。キャンプでは岸田(行倫)や若手の山瀬(慎之介)の評判がよかったけど、やはり打てるキャッチャーで大城(卓三)なのかな。大城はオレと同じ背番号だから、ベンチにいてほしくない気持ちもあるけど(笑)。
江本:ノムさんなら大城は100%使わない。理由は言いたくありませんが、キャッチャーには向き不向きがあるんです。そこへいくと、阪神の梅野(隆太郎)と坂本(誠志郎)は2人ともキャッチャー向きだけど、梅野は故障が多い。岡田は梅野を使いたかったが、坂本は出ると結果を残すから併用せざるを得ない。