元側近の告発で学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事。7月の都知事選での3選に黄信号が灯ったと見られているが──。
本人は4月12日の会見で、「カイロ大学が自分の卒業を認めている。卒業を認める資格があるのは大学だけ」と疑惑を全面否定すると、連日、衆院東京15区補選に擁立したファーストの会副代表・乙武洋匡氏の応援のため街頭に立ち、ヤジを浴びても、「お騒がせしています」と笑みを浮かべる余裕を見せる。
月刊誌『文藝春秋』(5月号)で学歴詐称工作に荷担したと“懺悔暴露”した小島敏郎氏(元都民ファーストの会事務総長)が今度は、「小池氏を公選法違反で刑事告発する」と表明するなど騒動は広がっているが、小池ブレーンの1人はこう言う。
「彼女は逆境ほど燃える。前回の都知事選も学歴詐称を追及する書籍がベストセラーとなる中で6割の票を取って圧勝した」
「きっと勝負に動くはず」
その小池氏は、補選の方針を大きく転換した。
これまでは都内の市長選で逆風の自民党推薦候補を支援して勝利させ、「都知事選を有利にするために自民党に恩を売った」(自民党都連幹部)と見られていたが、今回の補選では自民党の乙武氏への推薦を断わり、「反岸田」を鮮明にしたのだ。
「知事選や都議会運営を考えたら自民と協力したほうがやりやすい。だが、彼女は風に敏感。岸田文雄・首相の6月解散が濃厚になってきて、都知事選より総選挙を睨んでいるのではないか」(同前)
疑惑再燃で小池氏にも逆風の状況だが、当の本人は“どこ吹く風”で、むしろ野心を燃えたぎらせているというのだ。
実際、小池氏が率いる「都民ファーストの会」は区長選や都議補選で勝利し、国政政党を目指して設立した「ファーストの会」も次の総選挙を睨んで昨年“小池政治塾(ファースト政経塾)”の2期生を募集するなど、候補者育成を続けてきた。
都民ファーストの会代表の森村隆行・東京都議が語る。
「前回の衆院選では候補者を立てられませんでしたが、次の総選挙ではファーストの会として候補者を出し、国政に出ていこうという方針です」