テレビCMで一躍人気者となった双子姉妹の姉・成田きんさんの息子もまた、病気知らずの長寿。密着取材から見えてきたのは親譲りの軽やかな生き方だった。
どこでも女性にアタック
「ここには『きんさん桜』と『ぎんさん桜』が並んで立っているけど、きんさんの桜の方がね、ちょっと咲くのが早いんだ」
愛知県名古屋市・笠寺公園。この地に植樹された母と叔母ゆかりの“長寿の桜”を仰ぎ見て、成田幸男さんは目を細めた。
母の名は成田きんさん。1992年に流れた〈きんは100歳!ぎんも100歳!〉のダスキンCMをきっかけにご長寿姉妹として脚光を浴び、国民的な人気者となった双子の姉・きんさんだ。
「おふくろが107歳まで生きたから、それまでは自分も生きたいな。できれば親を超えたい」(成田幸男さん、以下同)
御年93歳の幸男さんは、長寿の秘訣に3つの“気”を挙げる。1つ目は60代から心がけている「洒落っ気」だ。
「年を取ると面倒で身なりがだらしなくなってしまうから、それをやめようと意識したの。おしゃれを楽しんで自由に生きるようになると、ストレスがなくなるでしょう」
それがいいんだと、実感を込める。
「ウチのきんは11人も子を産んで体がずっと弱かったの。でも100歳から変わった。解放されたみたいに言いたいことを言って、やりたいことをやれるようになって。自由に過ごしてすっかり丈夫になったもんね。だから俺も同じように自由に好きなことをする」