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陸上中距離界のエース・田中希実、パリ五輪後は作家デビューもあるか? 幼少期からの読書家でSNSでの文章構成力が絶賛される 直木賞受賞作品のモデルにも

読書家としての一面を持つ田中希実(時事通信フォト)

読書家としての一面を持つ田中希実(時事通信フォト)

 陸上の中距離種目で日本記録を次々と塗り替える田中希実(24)。2021年の東京五輪の1500mで日本人初の「8位入賞」の快挙を成し遂げてから3年。「パリ五輪出場はほぼ確実」(スポーツ紙記者)と言われており、今大会では初のメダル獲得が期待される。

 田中の両親はともに元陸上選手で、母は北海道マラソンで二度の優勝経験を持つという。そんな陸上一家のサラブレッドとして育ったため、さぞかし体育会系かと思いきや、彼女はスポーツ界きっての「読書家」として知られている。田中を取材したスポーツジャーナリストが言う。

「童話作家の佐藤さとるさんの大ファンで、小学生の頃は『読みながら登下校するのが日課』だったそう。それがある時から“歩き読書”が禁止された。兵庫・小野市の家は学校から2.5kmほどあったため本を読むため走って帰るようになったことで、自然とランナーの礎ができたそうです。

 今年1月には作家の万城目学さんと雑誌で対談しています。万城目さんが直木賞を受賞した上『八月の御所グラウンド』のなかの『十二月の都大路上下カケル』という短編は、田中希実さんがモデルとなっています。ほかにも『文学界』(文藝春秋)にエッセイを寄稿するなど“本の仕事”も積極的に引き受けています」

「私の走りがいつか上質なファンタジーに」

 田中は東京五輪の後、自身の葛藤などを綴った文章がSNSで注目され、構成力の高さが絶賛された。2022年にはネットでコラム連載が始まるなど“副業”になっている。

「陸上競技に熱中することで、『最近は想像力が欠けてしまっている』と話していた。しばらくは難しいかもしれませんが小説やエッセイの執筆に前向きなようなので、パリ五輪後には作家としてのオファーが殺到するかもしれません。

 彼女は自身のコラムで『私の走った軌跡が、いつか上質なファンタジーになることを願う』と綴っているように、記録よりも記憶に残るランナーになることが最大の目標。パリではいつか小説になるような走りをしてほしいですね」

 人々の記憶に深く刻まれるような走りに期待したい。

※週刊ポスト2024年5月17・24日号

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