東京五輪レスリング女子50kg級金メダリストで、パリ五輪代表に内定した須崎優衣(24)。2017年に高校3年で初めて世界選手権を制し、東京五輪でも圧倒的な強さをみせた。
同階級では敵なしの強さで、「“霊長類最強”と言われた吉田沙保里以上の逸材とみられている。よほどのことがない限り五輪連覇は間違いない」(スポーツ紙記者)と言われる須崎に熱視線を送るのが、格闘技界だ。
「世界的にジョシカク(女子格闘技)のブームが来ているなか、日本の総合格闘技団体が最も注目しているのが須崎選手です。本人はパリの次まで見据えていますが、女子レスリングでは無双状態で、モチベーションが続くかどうかは分からない。なにより本人も格闘家との交流に積極的です。
レスリング元世界女王で、総合格闘技で活躍した山本美憂と練習を共にしたり、総合格闘技団体『RIZIN』のバンタム級王者・朝倉海のYouTubeに出演したことも。腰の重い海をタックルで倒す姿は視聴者に衝撃を与えました」(同前)
この動画内では世界トップの格闘家と渡り合ってきた朝倉が、「女子の力じゃない」「ぶっちぎりのスピード、負けました」と脱帽。
「世界最高峰の総合格闘技団体『UFC』(アメリカ)も女子部門に力を入れているので、彼らが食指を伸ばす可能性もゼロとはいえない。五輪連覇の成績をひっさげて総合格闘技に参戦すれば、億万長者も夢ではない」(同前)
4月に参戦したアジア選手権(キルギス・ビシケク)では、盤石の強さで優勝したものの、失点があったことで「悔しい試合内容だった」と振り返った須崎。いまや一方的に勝つことが前提になるほど、彼女の実力は頭ひとつ抜けている。女子レスリング界の至宝がグローブをはめる日は来るか。
※週刊ポスト2024年5月17・24日号