どんなアナウンサーにも新人時代はあった。テレビ朝日に1977年に入社した南美希子さんは、入社1年目の思い出をこう語る。
「入社当時に同期で集まって撮った懐かしい写真。テレビ朝日がモスクワ五輪の独占放送権を取得し、オリンピック要員で前代未聞のアナウンサー9人が採用されました。研修中はランチをはじめ常に9人の仲間と行動し、同期の古舘伊知郎さんや渡辺宜嗣さんたちと過ごす毎日は楽しくて仕方ありませんでした」
一方、2000年入社の石井希和アナはこう語る。
「はちまきを巻いてるのが私ですね。新人は夏の甲子園で5回裏にアルプススタンドから届ける“サンサンリポート”を任されるのですが、どんなに日焼け止めを塗っても夏の終わりにはこんがり……。実況の先輩アナウンサーから『3塁側の石井さーん』と呼びかけられて始まる1分間は、一言も無駄なことは言えない緊張感でした」