愛知県小牧市にある「愛知中央美容専門学校」が2024年5月末をもって閉校することを決定した。同校を運営する「愛知中央美容協同組合」の代理人弁護士によると、昨年秋までに出資企業が経営破綻し、新たなスポンサーが見つからなかったため、今月に入り月末での閉校を決めたという。突然のことに生徒や保護者はひどく戸惑っている。
「5月9日に開かれた保護者説明会で、閉校が初めて伝えられました。新入生は入学金や授業料など約100万円のうち5万円ほどしか返金されないことも説明され、生徒側からは“なぜ返金できないのか”“新年度となり入金を待ったのではないか”などと怒りの声が噴出しています。現在、同校には通信生含めて90人ほどが在学中で、4月には昼間生11人が入学したばかり。学校側は『事業継続ができないとわかった上で生徒募集をしたわけではない』と主張しており、泥沼の金銭トラブルへと発展していきそうです」(全国紙記者)
愛知中央美容専門学校は、美容師を目指す地元の若者の間で“通いやすい”と評判だった。
「『美容学校が名古屋にしかなく通学できない、学費が高すぎる』と悩む若者のために、2004年、名古屋のベッドタウンとして発展した小牧という地で前身となる学校が誕生。もともとレンタルビデオ店だった建物を改装した同学校は、2006年に“愛知中央美容専門学校”に改称するとともに専修学校の認可を受けました。
美容系の専門学校に2年通学する場合、一般的に200万~300万円の学費がかかると言われています。しかし、愛知中央美容専門学校は教材費も含めて2年間で約195万円に収まります。特待生制度なども充実しており、金銭的に苦しい若者にとっては味方といえる存在でした」(前出・全国紙記者)
閉校の経緯は
同組合に出資していたA社の破産管財人を務める弁護士が、「自分は美容学校の件に直接関与していたわけではないが……」と前置きした上で、閉校の経緯を明かした。
「美容専門学校の経営自体は組合が行なっていましたが、美容サロンを経営するA社がそこに出資していました。携帯電話ショップを運営するB社は、スマホの時代になってから経営が苦しく、新規業務拡張を図ってA社を買収しました」
しかしB社を含む関連会社が破産手続きの開始決定を受け、完全出資の子会社であるA社も昨夏に破産手続きをとることに。A社の破産管財人を務める弁護士が続ける。
「美容専門学校の関係者は『このままでは生徒さんに迷惑をかけてしまう』とスポンサー探しを頑張っていましたが、上物と底地、借金を全部抱えて学校を続けてくれるスポンサーは見つからなかったのでしょう」
学費の安さに救われた気持ちで入学を決めた若者もいたことだろう。生徒にとって納得いく結末を祈る。
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