「降圧剤」を服用する人は、全国民の2割に上る。高血圧による動脈硬化や心疾患を避けるため──医者はそう説明するが、降圧剤が重病の発症を招いてしまっては本末転倒だ。
降圧剤のリスクを避けるには薬をやめることも選択肢となる。多くの患者を“断薬”に導いてきた坂東ハートクリニックの坂東正章院長が語る。
「医師の指導のもと、正しく降圧剤を減らしていくことが重要です」
坂東医師の治療の大まかな流れは、【1】自宅での正確な血圧測定の指導→【2】問診による高血圧の原因分析と降圧目標値の設定→【3】生活習慣、食生活の改善だ。
血圧の測定は日本高血圧学会の家庭計測ガイドラインに則り、自宅で上腕式の血圧計を使用。椅子に座った状態で腕帯を心臓の高さにしたうえで、血圧計に正対して計測する。朝と夜の2回計測してその平均値を出す。朝は起床後1時間以内の排尿後、朝食前に測る。
正しい血圧測定ができるようになったら、管理栄養士らの問診を経て塩分を控えるなどの生活習慣指導に移り、「脱・降圧剤」を進めていく。
「降圧目標値は各人の年齢や体調などを考慮して決めていきます。家庭血圧135/85未満が目標なら、上の血圧130未満が3日以上続けば薬を減らします」(坂東医師)