いま、韓国の大手事務所で内紛が起き、行く末が注目されている。事の発端は4月25日、「BTS(防弾少年団)」を筆頭に多くのアイドルが所属する韓国の大手芸能事務所「HYBE」が、子会社「ADOR」のCEOミン・ヒジン氏を「HYBEの経営権を奪おうとしている」と、業務背任容疑で刑事告訴したことにある。
これに対しミン氏は真っ向から反論。ミン氏が記者会見を行う前、HYBE側が先手を打つ形でミン氏が「BTSには兵役に行ってほしい」と周囲に語っていたと報道機関に“暴露”した。このHYBEの行動にARMY(BTSのファンの呼称)は、「BTSを盾に掲げる言論操作は中止せよ」と激怒。声明文を発表したり、事務所前での抗議活動が行われたりと、一層泥沼化を招く結果となった。
この内紛で危惧されているのが、K-POP二大グループ「BTS」と「NewJeans」の動向だ。
NewJeansはミン氏がプロデュースした人気沸騰中のガールズグループで、昨年末にはNHK紅白歌合戦にも出場した。6月には日本デビューを果たす予定で、東京ドーム公演も控えているが、無事来日公演が実施されるのか。また、現在メンバーの兵役のため活動休止中のBTSは、予定通り来年に復帰となるか。二大K-POPアイドルの今後が、お家騒動の行く末にかかっている──。
パン・シヒョク氏とミン・ヒジン氏のこれまで
【2005年】作曲家で音楽プロデューサーのパン・シヒョク氏が「Big Hit Entertainment」を設立。
【2010年】パン氏が「BTS(防弾少年団)」のプロデュースを手掛け、 2013 年にデビューさせる。
【2019年】パン氏からのラブコールを受けて、ミン・ヒジン氏がHYBEのブランド総括(CBO)に就任。
【2021年】パン氏が「Big Hit Entertainment」の社名を「HYBE」に変更。同年、HYBEが160億ウォン(約18億円)を出資し、新レーベル「ADOR」などを設立し、ミン氏が代表に就任。
【2021年7月】パン氏がHYBEの代表取締役を辞職し、同社の理事会議長役に就任。音楽プロデューサーに専念する。
【2022年6月】BTSが活動休止を発表。
【2022年7月】ミン氏が5人組のガールズグループ「NewJeans」をデビューさせる。
【2024年3月25日】パン氏がプロデュースした5人組ガールズグループ「ILLIT」がデビュー。
【2024年4月22日】HYBEは「ミン・ヒジンらADOR経営陣が経営権を奪おうと企てており、その過程で機密の内部情報も流出させた」としてADORへ内部監査に入った。これを受けミン氏は、「『ILLITはNewJeansをコピーしている』と私が問題提起をしたことで、解任されようとしている」と反論。
【2024年4月25日】HYBEが内部監査の結果、ミン氏を業務上背任容疑で刑事告発すると発表し、ミン氏に辞任を要求。ミン氏が緊急記者会見を開く。
※女性セブン2024年5月30日号