5年ぶりにNPBに復帰したDeNAの筒香嘉智(32)がスポーツ紙を連日賑わせている。復帰戦となった5月6日ヤクルト戦では逆転3ラン、11日阪神戦では最大7点差をひっくり返す勝ち越しソロと、勝負所で大活躍だ。
米国ではなかなか結果を残せず、帰国後も二軍での打率は.176で長打はゼロ。実戦から長く離れていたこともあり、一軍昇格には時期尚早との声も多かった。
「筒香は二軍で、成績よりも日本投手の“間”に慣れることを目的に調整していました。米国では素早い投球動作で剛速球を投げ込む投手に対応するのに苦慮していたが、今度は投球動作のなかで間をつくる日本の投手に対応し直す必要があった。青木宣親(42)や秋山翔吾(36)がNPBに復帰する際も、同じように時間を費やしていた」(スポーツ紙デスク)
もうひとつ関係者が懸念していたのが、筒香を取り巻くチーム環境だ。
「この5年でチームは大幅に若返りし、主砲・牧秀悟(26)含め一軍選手の約半数が筒香とは初めて同僚になる。今は非常に若くてノリが良いチームに変わっています。筒香は口数が少なく、行動や結果でリーダーシップを示してきたタイプなので『チームに馴染めるのか』と不安の声があった」(球団関係者)
メジャー帰りの大先輩が、自ら話しかけるタイプではない──そうして生まれそうな距離感を縮めたのは、若手中心のチームらしい“チャラい歓迎”だったという。
「復帰戦の試合前、筒香が選手、スタッフの前で挨拶をしたところ、一同無反応。一瞬冷たい空気が流れましたが、突然、音楽が爆音で流れ出し、牧が『ゴウさん、お帰りなさい!』と音頭をとるや、どんちゃん騒ぎが始まった。
大谷翔平(29)が初ホームランを打った時にやられた、あえてヒーローを無視する“サイレント・トリートメント”です。これには筒香も苦笑いでしたが、リラックスできて距離も縮まったようです」(同前)
年長者として若いチームを背中で引っ張れるか。
※週刊ポスト2024年5月31日号