警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、近ごろ話題になっている「刑務所タバコ」について。
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刑務所はバナナが出ない!?という内容の記事が『PRESIDENT Online』に出ていた。刑務所内の話はヤクザたちからよく聞いていたが、そんな話は聞いたことがない。早速『なぜ「刑務所でバナナを出すのはNG」なのか…バナナの皮で作れてしまう「不正な嗜好品」の正体』という記事を読んだ。
著者は刑務所で管理栄養士をしている黒柳桂子氏で、記事は彼女の著書『めざせムショラン三ツ星 刑務所栄養士、今日も受刑者とクサくないメシ作ります』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものだ。
刑務所ではバナナを給食で出すとなると刑務官らがざわつくらしい。栄養価もあり、食べるのも提供するのも楽なバナナだが、刑務所で出すのは好ましくないという。理由は「バナナの皮でタバコができるから」。その名も「刑務所タバコ」。そんなタバコを刑務所の中で作ろうとする受刑者がいるらしいと書かれていたので、さっそく既知の暴力団幹部D氏に聞いてみた。
「だから刑務所の中でバナナは出ない」という答えが返ってくるものとばかり思っていたが、予想に反し答えは違った。「刑務所タバコ? そんな物、聞いたことがない」「バナナってあのバナナだろう、ムショで食べたと思うけど」。全国各地の刑務所を巡れるほどの前科前歴を誇る彼が、刑務所タバコを知らないという。これはいったいどういうことか?
著者が勤務するのは、主に精神疾患や何らかの障害をもつ受刑者を収容し、初めて刑務所に入る初犯も収容するという日本一小さな男子のみの医療刑務所。前科〇犯のヤクザらが収容されるような刑務所とは違っていたのが、理由の一端のようだ。「そんな面倒なことしなくても、タバコはいくらでも手に入る」とD氏がいうように、手練手管に長け、反社会的勢力として縦横のつながりを持つヤクザらは、本当のタバコを効率よく手に入れる術を心得ているため、わざわざバナナでタバコを作る必要性がないのだ。「バナナでタバコを作るぐらいだったら、桜の葉でも作れるぞ」。桜の木のある刑務所があるのか不明だが、D氏はニヤリと笑った。