放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、まるごと高田文夫な新刊について綴る。
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GWを挟んでこの20日間はずっと原稿を書き、押入れから古い雑誌のスクラップやらライブのパンフ、自分の落語会のチラシなど探し出し想い出を書き出す日々。
実は75年にわたる私の芸能の集大成を作りましょうという有難い話になり、月刊誌の連載をまとめて、他に「書きおろしを少々」という話が書いているうちに逆転し、連載分の量より今回の書きおろしやら古い写真などの量の方が多くなりそう。
編集長のひと声。「せっかく高田さんなんだから普通の単行本じゃつまらないでしょ。にぎやかにカラーグラビアもタップリつけて雑誌をやろう。雑誌だったらウーン〈対談〉も必要だな。やっぱ日芸の先輩、後輩ということで爆笑問題の太田光さん、今や脚本家日本一、クドカン宮藤官九郎。あと1人欲しいな。家族の素顔もみたいしな。おカミさんどうだ?」「死んでも嫌と言ってます」「たしか長男はスポーツ新聞にいたろ。マスコミ人の責任として出てもらおう」なんてこともあって〈史上初 高田家親子対談〉なんてのまであります。
21歳から40歳まで(この間に『ビートたけしのオールナイトニッポン』)ひたすら台本書きの放送作家。先輩の青島幸男やら永六輔から「放送作家なんて商売は40まで。40過ぎて若いディレクターなんかにペコペコしてられっかってーの。40になったらなれる仕事は3つ。小説家か政治家かラジオパーソナリティ」。
この言葉通り40歳から35年間、こんにちまでニッポン放送で『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』。この計55年間の東京大衆芸能大行進。
誰にもバレないよう毎日黙々と、歩いて3分の書斎に籠もり書いていたのにやたら私の留守電に「6月に本出るんだって? 340ページって凄いネ」「談志やたけし、永六輔なんかもいっぱい出る?」なんで私が知らないことを周りは知っているのか。答えは簡単で若き担当者が勝手に情報解禁しちゃってたのだ。肝心の私にだけは言い忘れて……。
そんな訳でタイトルも分かりませんがたぶん『月刊Takada 芸能笑学部』(仮題)。ショー学部は「笑」です。発売日も教わってないのですが6月上旬書店へ(予定)。
告知だらけですいません。高田企画第6弾「ザ・東京漫才」(東洋館)。今回は知恵を絞って「ピン芸人大集合!」。漫才協会のねづっち、はなわ、たにし、中津川弦にゲスト、タブレット純。全体をまとめるのは私とナイツであります。7月3日(水)19時。前売りはこれもたぶんですけど6月7日。よろしかったら。
※週刊ポスト2024年5月31日号