米国の国際政治に関するシンクタンク「ピュー研究所」はこのほど、米中関係に関する世論調査を行った結果を発表し、米国民の81%が「中国は米国の最大のライバルであり、米国にとって最も好ましくない国」との見方を示していることが明らかになった。
このピュー研究所の調査は、4月1日から7日にかけて実施された3600人の成人からの回答によるもので、米国の人口統計に基づいて、回答者は偏りのない居住地から選ばれている。
同研究所が2009年に行った同様の調査では、米国民の49%が「中国は米国にとって好ましい国」と答え、「最も好ましくない国」としたのは38%だった。この15年間で中国に否定的な数字が2倍以上に増えたことになる。
また、今回の調査で中国を好ましい国と答えたのはわずか16%で、2009年調査の3分の1にも及ばなかった。
この理由について、同研究所は「多くの米国民は中国が米国経済に及ぼす影響に批判的であり、その影響力は大きくて否定的である」と述べ、中国の経済的な影響を阻止するため、米政府の介入を支持していると指摘している。
さらに、調査結果では「米国人の約半数は、中国の力と影響力を制限することが米国の外交政策の最優先事項であるべきだと考えている」と報告している。
調査結果によると、年齢が高く、保守的な米国民ほど、中国に対して否定的な見方をする傾向があるという。
65歳以上の90%が「中国は米国にとって非常に好ましくない」と回答したのに対し、30歳未満の国民では「非常に好ましくない」と回答したのは、その3分の1以下の27%に過ぎなかった。