合格率3%という昨年11月のJLPGAプロテストにトップ合格を果たし、女子ゴルフ界のニューヒロインとなった清本美波(18)。今春に愛知の私立誉高校を卒業し、現在は岐阜の朝日大学に通いながらプロのトーナメントに挑んでいる。
だが、プロの洗礼も浴びている。今季、推薦出場したレギュラーツアー5試合すべてに予選落ち。現状は下部ツアーにあたるステップ・アップ・ツアーが主戦場のままだ。
「“結果を残さなきゃ”とか、“予選通過しなきゃ”とか、そういったことは考えないようにしています。予選落ちしたからといっていちいち落ち込まず、将来的に強くなれたらそれでいい。結果は出ていないですけど、ここまでずっと調子が良くって、ショットはキレッキレなんです。だけど、パターが微妙に入らない。プロのトーナメントで、アンダーパーで回る感覚が掴めていない……。パッティングがかみあえば、絶対に結果を残せると思うのでそんなに焦ってはいません」
ゴルフを始めたのは6歳の時だ。父・宗健さんが会社のゴルフコンペに備えて練習場に足を運んだ際に、彼女も一緒に付き添った。すると父よりもゴルフに夢中になり、のめり込んでいく。「私自身のゴルフのスコアは130ぐらいです」と腕前を謙遜(!?)する宗健さんはYouTubeなどで独自研究しながら、三姉弟に指導した。先に有名になったのは美波の3歳下の長男である貴秀さん。タイガー・ウッズなどが活躍したことで知られる世界ジュニアに出場した。
「私の性格は負けず嫌い。『貴秀のお姉ちゃん』と呼ばれるのがすっごく嫌でした」
渋野日向子が優勝を遂げた2021年の「樋口久子 三菱電機レディス」では、高校1年生ながらローアマタイトルを獲得したが、アマチュア時代に大きなタイトルがあるわけではない。昨年はプロテスト合格を目標に掲げ、プロの試合にも度々推薦枠で出場し、キャディも務めていた父とコース上でケンカしながらラウンドしていた。そして、テストに一発合格。しかも、リーダーボードのトップに名を刻み、晴れてプロゴルファーとなった。
「実力とは違うパワーが出た気がします。(合格後の)反響がすごくて、ちょっと戸惑いました」