徳島県を中心に中国四国地方や兵庫県で、焼肉・とんかつ・牛タン専門店などを展開する「ふじや」が、代替肉加工食品『肉超ハンバーグ・肉超餃子』を開発した。
「代替肉はおいしくないというイメージを払拭したいという思いから、事業をスタートしました」(同社代表取締役の鍛谷徹さん・以下同)
主原料はイネ科の「たかきび」。ミートミレット(肉の穀物)とも呼ばれ、挽き肉に似た弾力のある食感が特徴だ。
今回紹介する製品に使用されているたかきびの産地は、徳島県美馬郡つるぎ町。その畑は標高600mの山の斜面に位置し、2018年に「にし阿波の傾斜地農耕システム」の名目で世界農業遺産(世界的に重要な伝統的な農業システムを国連食糧農業機関[FAO]が認定)に認定された。
「斜面での農業は通常、段々畑のように平らな面を利用して行います。しかし、ここでは敷き草(カヤ)を畑にすき込んで土の流出を防ぎ、逆鍬という伝統農具で“土上げ”するなどして、最大斜度が40度という傾斜地のまま農地として活用しています。そうすることによって作付け面積を減らさず、山の景観も守れます」
たかきびは4〜5月に種をまき、9〜10月に収穫。穂を風通しのいい軒先などに2週間〜1か月ほど干した後に脱穀する。たかきびを選んだ理由は?
「もともと挽き肉に近い食感の雑穀ですが、中でもつるぎ町産のたかきびはプチッとした強い弾力があるのが特長です。1年以上の試作を重ね、その利点を生かした味・肉の食感を再現しました」
ハンバーグは、炊いたたかきびにソテーしたオニオン・エゴマオイル・塩こうじ・豆乳・調味料などを加え、成形した後、オーブンでじっくり火を通して作られる。
たかきびが原料なので、葉酸・ビタミンD・鉄・カリウム・マグネシウムを豊富に含み、栄養面でも優秀だ。一般的な肉のハンバーグに比べ、塩分は65%、脂質は55%カットされている(2023年「日本食品標準成分表」冷凍ハンバーグとの比較)のもありがたい。
餃子は、特に皮の部分にこだわった。
「一般的な餃子の皮は約0.8mmですが、肉超餃子の皮は0.52mm。大きさは小ぶりなので、お子さんや年配のかたも食べやすい。皮は薄いだけでなく、一定時間熟成しているので、もっちりとした食感を楽しめます」
ネーミングの「肉超」とは、「味は肉と同等。それでいて栄養価は肉以上」という自信の表れだ。代替肉を食したことがない人は、この『肉超ハンバーグ・肉超餃子』をぜひ味わってほしい。大きな驚きと感動に出会えるはずだ。
【商品DATA】
『【栄養機能食品】からだに優しい健康ギフト(連-REN-)』/ふじや/6500円
セット内容/肉超ハンバーグ、肉超チーズインハンバーグ、デミソース肉超ハンバーグ、デミソース肉超チーズインハンバーグ、デミソースプレミアム肉超ハンバーグ、デミソースプレミアム肉超チーズインハンバーグ各1個、肉超餃子36個入り。ハンバーグは焼いた後に冷凍で、餃子は生の状態を冷凍し、パッキング。
取材・文/藤岡加奈子
※女性セブン2024年6月6日号