「金利60%」の高利貸し疑惑を本誌・週刊ポストが報じ、騒動となった日本維新の会の中条きよし・参院議員。本誌が確認した中条氏の本名で交わされた「金銭消費貸借契約書」には〈利息配当は年60パーセントとする〉との記載がある一方、中条氏は1000万円の貸付を認めて資産等報告書を訂正したものの、自身の持つ契約書では金利の部分は空欄で、「金利をもらおうと思ったことは一切ない」と主張している。
その中条氏はYouTubeに公式チャンネル「本音の扉」を持ち、制作費を税金である「調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費。以下、旧文通費)」から支出している。同チャンネルの動画制作に関わるのが、芸能事務所社長のX氏だ。X氏は中条氏と同じ相手であるA氏に1000万円を貸し付け、A氏から返済がなされていないとして損害賠償請求の裁判を起こしている。X氏は本誌の取材に、「A氏は以前、中条氏から紹介された」と語っている。
X氏は中条氏が出席者に“おひねり”を求めて歌を披露した「中条きよしと共に歩むカラオケ大会」(4月7日開催)を主催した芸能事務所B社の社長でもある(本誌4月22日発売号既報)。X氏が中条氏に同大会の審査員を依頼し、中条事務所は「出演料は個人の所得にする予定」と説明した。2人は「中条氏が芸能活動をしていた頃からのビジネスパートナー」(2人を知る関係者)だという。
このX氏の会社に、中条氏の旧文通費から約500万円が支払われていたことがわかった。
日本維新の会はホームページで所属議員全員の旧文通費の使途を領収証付きで公表しており、それによると中条氏はX氏が芸能事務所とは別に経営する広告制作会社C社に、昨年4月から12月までの9か月間に「YouTubeチャンネル【本音の扉】動画制作費」などとして総額500万8620円を支払っていた。