日本高等学校野球連盟(以下、日本高野連)の上部団体である日本学生野球協会が5月24日、岩手・盛岡誠桜高校の附田政登(つくた・まさと)校長と、同校野球部の石橋智監督(63)に対し、5月25日から9月6日までの謹慎処分を決めた。重い処分となったのは、同校野球部に不祥事の疑いがあるうえに、附田校長が日本高野連の調査・報告要請を拒否したことが理由とされる。
盛岡誠桜の野球部をめぐっては、昨年夏に引退した3年生(今春に卒業)の元部員による飲酒・喫煙や、石橋監督の暴言・パワハラ行為が疑われていた。しかし、附田校長は日本高野連の調査・報告要請を拒否。結果、すでに日本学生野球協会から4月10日から5月24日までの謹慎処分を受けていた(今回の処分で謹慎が延長されたかたち)。
なぜ、附田校長は日本高野連の要請に従わないのか。5月10日の附田校長の会見では、部員の不祥事は引退後であるため野球部ではなく学校側の指導責任だとし、監督のハラスメント行為に関しては調査の上で「認められなかった」と見解を示した。そのうえで、附田校長は謹慎処分の撤回を求め、「不服申し立て」に打って出たが、これも日本学生野球協会は棄却した。
日本高野連は加盟校の指導者や野球部への処分の権限を持つだけに、真っ向から対立する盛岡誠桜・附田校長の姿勢は異例中の異例だ。何が起きているのか。