関西圏のある市立小学校のPTAで、PTA役員を辞退したいという保護者について、その保護者が「知的障害者」であることを理由に辞退を申し出たことを他のPTA役員たちに文書で周知していたことがわかった。PTA役員の辞退をめぐっては、「免除の儀式」と呼ばれる行為が全国的に行われていることも問題になっているが、極めて高度なプライバシーである病気に関する情報に言及して全校のPTA役員らに送る行為は物議を醸しそうだ。
当該の小学校のPTAで、役員らに配られた内容は以下のようなものだった。
〈◯◯さんについては、知的障害者であることや精神科に通院していることから、多くの人の前でうまく話せないため、PTAの役員ができないというお話しが本人からPTA本部にありました〉(特定を防ぐため、文章は主旨を変えない範囲で一部編集しています)
関係者によると、この申し出について、病気のことも含めてPTA役員に共有することの承諾を本人から得たうえで文書が作られ、周知されたという。
全国のPTAでは、役員決めをする際に「免除の儀式」と呼ばれる光景が繰り広げられているケースが少なくない。
新年度の役員を決めるのは、保護者会の後やクラスのPTAの会議などのタイミングだ。そこでくじ引きで決める際に、くじを引く前に他の保護者たちが居並ぶ前で「私はこういう理由でPTA役員ができません。だから免除してください」と説明し、他の保護者が免除してもよいと思ったら手を挙げる──といったものだ。