今年1月1日、石川県・能登半島で発生した巨大地震。女優の中原果南さん(52)がヒロインを演じた昼ドラ『はるちゃん』シリーズで、パート4まで舞台となっていた加賀・山中温泉も、震源地からさほど遠くはない。また、甚大な被害に見舞われた能登地方は、中原さんにとって「無名塾」時代から長く深いゆかりのある土地でもあった。
震災から半年、不安な暮らしが強いられている被災地。たくさんの思い出がある能登の町や現在も繋がりを持つ地域の人たちを応援したいという気持ちと、善意の押し付けになってはいけないという気持ちの間で、中原さんは「今、私にできること」を探しているという。【全3回の第2回。第1回から読む】
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──ドラマ『はるちゃん』にとって最も縁のある温泉地、石川県の加賀・山中温泉は、先の能登半島地震の震源にほど近い場所でした。
「地震の発生直後は、具体的な被害の内容までは分かりませんでした。ただ、やはり山中温泉のことが気になって、すぐに地図で場所を再確認しました」
──加賀地域にも大きな揺れがありました。
「私も『翠明』(ドラマの舞台となった実在する旅館)のホームページで確認して、『あぁ、よかった。なんとか大丈夫そうだ』と。その点ではほっとはしましたが、能登半島の七尾市とも長くご縁があるので、そちらの被害も心配でなりませんでした」
──七尾市の中島町には、「無名塾」時代の師匠である仲代達矢さんが監修された「能登演劇堂」がありますね。
「舞台奥の扉が開き、外の自然とステージが一体になるという、とても特徴的な劇場です。元々、私が入塾する前から『無名塾』の合宿を中島町で毎年やらせていただいていたというご縁があり、『演劇によるまちづくり』の一環として、仲代さんが劇場の監修を引き受ける運びになったんです」
──中原さんも合宿で訪れていた?
「もちろんです。塾生時代、私にとってはじめての能登合宿。『無名塾』のみんなで2台のワンボックスカーに乗り、能登に到着したのは夕方頃でした。水田の青々とした稲穂に夕日が当たり、きらきらと光りながら、風でサーッと流れる美しさに感動したのを、今でも覚えています」