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北朝鮮の大学でカバンの肩がけスタイルが「韓国の傀儡文化」であるとの理由で取り締まりの対象に 「社会主義的なスタイル」を逸脱

注意を受けた者は場合によっては厳しい罰則を科せられることも

注意を受けた者は場合によっては厳しい罰則を科せられることも

 北朝鮮では、自由主義社会で当たり前の行為が「資本主義の悪習に染まっている」などとの理由で取り締まりの対象になることがある。最近では大学生が教科書などを入れるバッグの肩ひもを片方の肩にかけて持ち運ぶことが「韓国の傀儡文化」であるとの理由で取り締まりの対象になっていることが明らかになった。

 注意を受けた者は場合によっては、退学や労働改造所送りなど厳しい罰則を科せられることもあるという。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 北朝鮮の大学では通常、リュックサックを背負ったり、片手で持ち運ぶカバンに教材を入れて持ち運ぶことが「社会主義的なスタイル」であると指導されている。

 ところが、このところ韓国のドラマなどの影響で、大学生たちが片方の肩にストラップをかけてバッグを持ち運ぶことが流行している。これが大学当局の知るところとなり、「資本主義の悪しき風習」とか「韓国の傀儡文化」として禁止され始めている。

 大学側は朝鮮労働党の青年組織である「社会主義愛国青年団」を動員してパトロール隊を組織し、校門前で学生らのバッグをチェックし、片方の肩でバッグを持ち運んでいる学生らを捕まえてバッグを没収している。

 この取り締まりに抵抗する学生は、退学あるいは労働改造所送りなどの厳しい罰則を科せられている。

 北朝鮮ではよく「社会主義的なスタイル」と「資本主義的悪習」を分けるような指導をされるが、実際には境界があいまいなものが多い。例えば、「女性は半ズボンを履いてはいけない」というものや、「結婚式の披露宴ではワイングラスを掲げて乾杯することはダメ」などというものがあげられる。これらに対しては、長めのズボンならいいのか、ただの乾杯ならいいのかといった類いの話は枚挙に暇がない。

 ただし、韓国の流行ドラマに登場するような風習・ファッションは「反動思想文化法の厳格な拒絶の対象」として強く禁じられているようだ。

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