昨年は38年ぶりの日本一とともに、独特な発言で注目された阪神の岡田彰布監督(66)。スポーツ紙で「岡田語録」が連日報じられたが、今季は交流戦に入ってからというものその弁舌に異変がある。阪神番記者が語る。
「『おーん』や『そらそうよ』などを口にすることが少なくなりました。代わりに増えているのが『もうええわ』とこぼす場面です」
交流戦2カード目の相手はロッテだったが、1、2戦目でサヨナラ負けを喫すると、両日ともに「もうええわ」「もうええやろ」と取材に応じず、球場を去った。3戦目は才木浩人(25)が完封勝利を収めたが、その試合後の取材でも「俺はもうええやろ」と口にした。
この変化に、記者たちは頭を悩ませている。
「1、2戦目は明らかに『これ以上は聞かないでくれ』という意味ですが、3戦目は問答を続けることに肯定的なニュアンスも感じられた。肯定と否定、どちらの意味でも使われる言葉なので、記者としては現場で判断に悩みます」(前出・阪神番記者)
記者たちが慎重になる背景には、4月に起きた“騒動”のこともある。スポーツ紙デスクが語る。
「阪神が2カード連続で負けた際の取材で、岡田監督は“あくまで想定内”というニュアンスで『ちょっと想定外』と答えたところ、各社が『想定外』と大きく見出しを取り、岡田監督が激怒。2週間ほど取材拒否になった。それ以来、書く側に遠慮が生まれ、各社、昨年ほど岡田監督のコメントに触れていない印象です」
そうしたなかで、岡田監督が発する言葉も少しずつ変化しており、別のスポーツ紙デスクはこう嘆息した。
「『おーん』といったフレーズが減り、見栄えのしない紙面になっている。語録を囲み記事にしない日も増えるなか、『もうええわ』はタイトルにも取り上げにくい。岡田語録をウリのひとつとしているスポーツ紙としてはこれが口癖になることは何とか避けてほしいです」
岡田監督の変化に、ファンも“アレ”?
※週刊ポスト2024年6月21日号