北朝鮮の首都、平壌の玩具店で北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17号」の模型、ミサイルを模した打ち上げ花火、機関銃や拳銃などの形をした花火が展示・販売されていることが分かった。愛国教育の一環で、北朝鮮の敵国である米国や韓国などへの意識を高める目的があるとみられる。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。
この玩具店の店内には、幼児用の小さな柵で囲まれた小さな遊び場があり、その両脇には2基の非常に大きな火星17号の模型が据えられているほか、壁には星と花火でいっぱいの空にミサイルが打ち上げられる様子を描いた絵も描かれているという。
その近くの売り場には、大小さまざまな火星17号の打ち上げ花火が並んで置かれており、店内の壁には2022年11月18日に火星17号の発射実験に立ち会った金正恩朝鮮労働党総書記と娘のジュエ氏の写真も掲げられている。ちなみにこの日は、ジュエ氏が初めて父・正恩氏とともに公の場に登場した日だ。
北朝鮮にとって火星17号の打ち上げ成功は国家的な慶祝事業で、昨年には打ち上げ成功の11月18日が「ミサイル工業節」という記念日に制定されており、金氏の妻、李雪主夫人も昨年2月、朝鮮人民軍創設75周年を記念する晩餐会に金氏と友に出席した際、ICBMの形をしたネックレスを身に着けているのが目撃されている。
このようなことから、「火星17」は大人から子供まで北朝鮮の新たなアイコンになりつつあるようだ。