ドラマやバラエティーなど、多方面で活躍しているLDH所属の俳優たち。その魅力について、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが綴る。
“後ろ”ではなくソロ活動で俳優として“前”に立つ覚悟
LDH所属の俳優さんたちが輝いています。筆頭は何と言っても、日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)でキーマンのひとり、緋山啓太を好演し、NHK連続テレビ小説『虎に翼』で花岡悟を演じていた岩ちゃんこと岩田剛典サン(35才)でしょう。
寅子(伊藤沙莉サン・30才)とは大学時代からの仲で、クラスメートの男子の中でも輝くばかりのルックスと紳士的な言動で、女性ならばクラッとすること間違いナシな存在でした。
が、過去には「女ってのは優しくするとつけあがるんだ。立場をわきまえさせないと」という陰口や、「どこまで特別扱いを望むんだ」と本音を吐いたことも。その日、ハイキングで寅子に突き飛ばされて崖から転落したシーンでは「朝ドラなのに特撮の落ち方」と視聴者の皆さんを困惑させたことも忘れられません。同作の公式ガイドブックでは岩ちゃん本人の口から、クレーンとワイヤーを活用した実写撮影が現地で行われたことが明かされています。体を張っていたんですね。
その後、仲直りした2人は結婚するのかと思いきや、まさかの“大階段での婚約発表”!!
6月6日放送の第49話で再登場した際の花岡による久々の「猪爪」呼びにはキュンとしてしまいました。しかも新しい職場で「はて?」続きだった寅子に「変わらないね、きみは」と言ってくれた岩ちゃん、いや花岡。
7日放送のラストで「花岡が死んだ」ことがわかり、10日放送で新聞の「判事がヤミを拒み榮養失調で死亡 遺した日誌で明るみへ」なる見出しを見たときには、“時代”と、“それがあいつの選んだ道”(by轟=戸塚純貴サン・31才)とはいえ、言葉を失いました。つまりは餓死です。はるさん(石田ゆり子サン・54才)の「あんまり気を落とすんじゃありませんよ」は寅子にだけじゃなく、視聴者全員に向けた言葉だったと思われます。
2018年4月、『1周回って知らない話SP』(日本テレビ系)で岩ちゃんとご一緒したとき、猛勉強して慶應義塾普通部(中学校)に入学し、高校時代はラクロスでU19の日本代表候補に選ばれ、大学時代は名門ダンスサークルに所属するなどの学生時代が特集されました。
愛知県名古屋市に本社がある創業100年を超える革靴メーカー『マドラス』の御曹司であることは有名ですが、『虎に翼』のロケ地の多くはその名古屋。就職せずにLDHに入ることを伝えた際、お母さまは電話口で泣き出したといいますが、“レコ大歌手”になっただけでなく、“朝ドラ俳優”にもなった岩ちゃん……故郷へ錦を飾れましたよね。『1周〜』では、パフォーマーとして“後ろ”にいるのではなく、ソロ活動で俳優として“前”に立つ覚悟についても話してくださいました。
その“覚悟”はドラマ『シャーロック』や『あなたがしてくれなくても』(共にフジテレビ系)などで充分に伝わっていますよ。