ビジネス

【KADOKAWAシステム障害で注目】日本企業を身代金ウイルスで攻撃するハッカー集団の幹部を直撃取材「俺の正体を突き止めたら100万ドルやるよ」

国際ハッカー集団の手口とは(写真:イメージマート)

国際ハッカー集団の手口とは(写真:イメージマート)

 サイバー攻撃でシステム障害が引き起こされ、さらに社内データを“人質”に取ったハッカー側に多額の身代金を要求される──出版大手KADOKAWAが被害に遭って注目を集める身代金ウイルス「ランサムウェア」。それを駆使するハッカー集団の手口とは。国際ジャーナリストの山田敏弘氏がレポートする。

 * * *
 ニコニコ動画などを運営するドワンゴとその親会社であるKADOKAWAグループの内部サーバーがランサムウェアに感染し、動画サービスなどが提供できなくなったのは6月8日のこと。1か月以上は復旧できないと発表され、配信者らへの莫大な賠償などが発生する可能性がある。

 ランサムウェアの攻撃者は、ターゲットの組織のネットワークに何らかの形で侵入。身代金(ランサム)を要求するマルウェア(不正なプログラム)を感染させ、パソコンやサーバーを勝手に暗号化して内部データを使えなくする。その上で、画面にメッセージを表示し、元通りに復号したければ身代金を暗号通貨などで支払うよう要求する。

 さらに攻撃者はネットワークに侵入した際に組織内部の書類やデータなどを大量に盗んでおいて、身代金を払わない相手には内部データをインターネットで公開すると脅す二重恐喝を行なうのだ。

払わなかったら負担は10倍

 KADOKAWAのランサムウェア感染をめぐっては、ウェブメディアのNewsPicksが6月22日、同社がサイバー攻撃者に約4億7000万円相当の身代金を支払ったと報じた。

 攻撃者と交渉をしている段階の報道にKADOKAWAは猛反発し、「犯罪者を利するような、かつ今後の社会全体へのサイバー攻撃を助長させかねない」と声明を発表。「損害賠償を含めた法的措置の検討を進めてまいります」と非難した。

 ランサムウェアに感染した際に身代金を払うかどうかについて、企業は難しい判断を迫られる。

 政府や警察当局は、被害企業などに対して、身代金の支払いをしないよう要請している。身代金を払ってもデータが復号できる保証はなく、身代金が犯罪組織の資金源になり、さらなる攻撃を助長することになるからだ。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
19年ぶりに春のセンバツを優勝した横浜高校
【スーパー中学生たちの「スカウト合戦」最前線】今春センバツを制した横浜と出場を逃した大阪桐蔭の差はどこにあったのか
週刊ポスト
「複数の刺し傷があった」被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと、手柄さんが見つかった自宅マンション
「ダンスをやっていて活発な人気者」「男の子にも好かれていたんじゃないかな」手柄玲奈さん(15)刺殺で同級生が涙の証言【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン