100年ぶりにオリンピック・パラリンピックが開催されるフランス・パリ。リオ大会以来、8年ぶりにコロナ禍の制限がない祭典に、世界中が注目している。だが、現地から熱戦を伝える取材陣は、例年にない厳しい環境と戦っていた──。
7月26日に開幕するパリ五輪まで1か月を切り、各競技で代表争いが大詰めを迎えている。花の都パリでしのぎを削るのは、代表の切符を手にした選手だけではない。大会を中継する各テレビ局も、4年に1度の世界的スポーツイベントで火花を散らすことになる。五輪中継の“代表”ともいえる各局の「中継キャスター」が、選手よりも一足早く出揃った。
今大会の注目株は、フジテレビでスペシャルキャスターを務める元卓球日本代表の石川佳純(31才)だろう。昨年5月に現役を引退した石川は、さわやかな言動で好感度は抜群。『ユニクロ』や『キリンビール』、『洋服の青山』など数々のCMにも出演するほどだ。
「過去3大会連続で五輪メダルを獲得した石川さんは、実績・知名度ともにキャスターとして申し分ありません。大会前から活躍が期待される選手を同局の番組でインタビューしていて、視聴者からの評判も悪くない。キャスター初挑戦というフレッシュさも、注目度をアップさせています」(テレビ局関係者)
一方で、新人の独走を許さないのが「五輪キャスターの顔」ともいうべきあの熱い男。テレビ朝日は夏季と冬季を合わせて11大会連続で、元プロテニスプレーヤーの松岡修造(56才)をメインキャスターに起用。同局の報道番組『報道ステーション』でコンビを組む、元サッカー日本代表の内田篤人(36才)とともに現地入りする予定だ。
「“五輪といえば松岡修造”というイメージを持つ視聴者も少なくありません。熱血中継で有名な松岡さんですが、今大会のキャスター就任時にも、“選手たちの魂の戦いを、日本の皆さんに本気でお伝えします!”と熱くコメントしています。いつも以上の、にぎやかな中継が期待できるのではないでしょうか」(スポーツ紙関係者)
TBSはシドニー五輪の女子マラソン金メダリストで、同世代からの支持が高いという高橋尚子(52才)を夏季と冬季を合わせて8大会連続で起用する。
フジテレビの石川同様に、フレッシュな人選で勝負に出るのは、日本テレビとテレビ東京だ。日テレは競泳金メダリストの萩野公介(29才)。テレ東は、卓球金メダリストの水谷隼(35才)とバドミントンの金メダリスト高橋礼華(34才)がキャスターを務める。
錚々たる顔ぶれが名を連ねる各局の五輪キャスター陣。“大ベテラン”の松岡で1日あたりの出演料が110万円、高橋は50万円などと報じられたことがある。
「ギャラの相場は40万円前後といわれていますが、遠くパリまで行くことを考えると決して割がいいとは言えません。それでも有名な元アスリートがオファーを受けるのは、大会後にもスポーツ番組に呼ばれるといった“ビジネスチャンス”につながるという考えもあるようです」(前出・テレビ局関係者)