『源氏物語』の作者・紫式部の人生を、吉高由里子主演で描くNHK大河ドラマ『光る君へ』。物語も折り返しを迎え、波乱の展開にも注目が集まっている。今後の注目ポイントについて時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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そんなわけで、毎回、予想外の出来事が次々勃発する『光る君へ』。
先日放送の26話では、大地震、大雨と天変地異で大変な中、まひろ(吉高由里子)と藤原宣孝(佐々木蔵之介)の年の差夫婦もラブラブ状態だったのに、口論となり別れる別れないの大げんかに。まひろは夫に灰を投げつける激しさを見せる。そして、日々の好転を願うため、一家で訪ねた石山寺で、藤原道長(柄本佑)と運命の再会! 夜だし、周りには誰もいないみたいだし、この先、どうなっちゃうの?と思ったら、予告では道長に抱きしめられて「俺のそばで生きることを考えぬか」なんて言われてた。夫とケンカしてるタイミングで、こう言われたら…。 7日は放送休止で、ファンをやきもきさせている。
では、この先、どんなことに注目すべきか。まず、第一に注目したいのは、まひろの出産・子育てについて。
史実では紫式部には、賢子という娘が生まれている。賢子は後に女流歌人「大弐三位(だいにのさんみ)」の名で百人一首の歌人としても知られるようになる。まさに母に才を受け継いだという感じだが、27回の予告編では、思いつめたまひろが涙目で「この子は私ひとりで育てます」と話していた。夫に「不実な女でございます」とまで言ったまひろが、なぜ、涙目なのか?
宣孝との結婚生活は、3年ほどと言われる。石山寺で道長にどう返事をしたのかも含め、まひろの人生の波乱は続く。
第二の注目点は、入内した道長の長女・彰子(見上愛)の件。数々の難儀を乗り越える策を求める道長に安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)は「左大臣様はよいものをお持ち」と、彰子の入内をすすめる。晴明によると彰子は「朝廷を背負って立つお方」であり、天下万民のため、入内は彼女の宿命なのだという。
とはいえ、彰子は父に何を言われても「仰せのままに」と言うばかりで、とても「背負って立つ」とは思えない。が、しかし! 史実では晴明の予言は的中するのである。超引っ込み思案の彰子は、いかにして「背負って立つ」ようになるのか。どこでスイッチが入るのか。清少納言(ファーストサマーウイカ)は、彰子のライバルともいえる定子(高畑充希)の女房として命がけで尽くす。まひろ(紫式部)は彰子の女房となって「源氏物語」を書く。まひろと道長の娘との関係も物語に大きく関わってくる。
そして、忘れちゃいけない中宮・定子の兄・伊周(三浦翔平)。