東京・渋谷区の小さなビルの地下に、レトロな喫茶店がオープンしたのは、昨年11月のことだった。オープン以来、連日大盛況のこの店の名は「喫茶二十世紀」。元V6で20th Century(通称トニセン)の坂本昌行(52才)、長野博(51才)、井ノ原快彦(48才)の3人がプロデュースを手掛ける。
「ファンの間では『トニセンカフェ』と呼ばれて親しまれています。喫茶文化を未来に残していきたいと、3人が店内のデザインからメニュー開発までこだわって作り上げた、昭和レトロを基調とした空間が広がっています。ナポリタンや厚焼き玉子サンドなどの昔懐かしいメニューのほか、本格的なオリジナルブレンドのコーヒーも大好評です」(芸能関係者)
現在、全国ツアー真っ最中のトニセン。3人の中で、特に昨年から大きな変化があったのが井ノ原だ。
「井ノ原さんは今年4月から、STARTO ENTERTAINMENTのCMOという最高マーケティング責任者に就任しました。タレントと経営の両立に苦慮しながらも、現場を通してファンと向き合うことが活力につながっているそうです。ファンの憩いの場として、トニセンカフェをより発展させたいと、カフェの運営にも以前に増して力を入れているようです」(前出・芸能関係者)
5月中旬、そんな井ノ原はトニセンカフェのために、行動を起こしていた。彼が向かったのは、1971年創業の東京・神田の老舗喫茶店で5月末に惜しまれつつ閉店した「珈琲専門店 エース」だ。閉店に伴い、マスターが店内のインテリアや備品、装飾品の譲渡先を探しているという話を聞きつけた井ノ原は、その引き取り先として名乗り出たという。エースのマスターが明かす。
「井ノ原さんは、長野さん、坂本さんを連れて3人で来てくださいました。“お好きなものを持って行ってください”と伝えたら、椅子や看板、手書きのメニューを熱心に見て、選んでいました。さらにエースの名物メニューである、焼きのりを挟んで焼いたサンドイッチ、『のりトースト』を彼らのお店でぜひ出したいということで、レシピをこっそりと伝授したんですよ」
半世紀にわたって喫茶店を大切にしてきたマスターの思いを託された井ノ原。そう遠くないうちに、「のりトースト」がトニセンカフェで味わえる日が来るかもしれない。
※女性セブン2024年7月11・18日号