中国共産党は6月27日、党の重要会議である第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)を7月15~18日に北京で開くと発表した。5年に一度の共産党大会(前回は2022年)の翌年に開かれるのが通例だが、2023年には開催されず、大幅にずれ込んでいた。低迷する不動産市場の対策は喫緊の課題だが、急速に進む少子高齢化はそれ以上に深刻に捉えられている。
年金制度の整備や出産、子育てにかかる国や自治体の支援を拡大してきたが、現実は厳しいようだ。特に婚姻数の減少と少子化の勢いには歯止めがきかない。
中国政府の人口統計調査を記録した2023年中国統計年鑑によると、コロナ禍が落ち着いた同年の婚姻数が768万組となり、10年ぶりに増加に転じた。しかし、それもつかの間で、今年第1四半期の全国の婚姻届件数は196万9000件で、前年同期から17万8000件も減少した。
2010年には、女性が初めて結婚する平均年齢は24歳だったが、2020年には28歳になっている。特に、中国の大都市である上海ではすでに31歳を超えている。
晩婚化の傾向は出生率の低下に直結し、その結果、出生数も減少する。今後は年間で前年比約10%は減少すると推定されている。
その大きな要因としては、2015年までの30年間続いた「一人っ子政策」があり、若者の数の減少と男女の不均衡を招いたことがある。「一人っ子政策」の中では男子を望む傾向が強く、現在、20歳から40歳の男性は女性より1752万人多く、適齢期の男性の結婚難に拍車をかけている。
また、中国の若者は経済的な理由から、結婚や、家の購入や子供を持つことなどを避ける傾向が強まっている。
結婚となれば、結納金や披露宴で数百万円、北京や上海などの大都市以外でも新しい住居や家財道具などでさらに1000万円近くが必要になるケースも少なくないという。また、子育てにも多額費用がかかるため、若者は結婚を避ける傾向が強まっている。
世界の人口に関する統計情報を発表している国際連合人口部(United Nations Population Division)の最新の中国の人口推移予測によれば2080年には10億人を割り、9億7290万人、2100年には7億6667万になるとされている。
しかし、今年2月には、上海社会科学院などの研究者グループが「中国の人口は2100年までにわずか5億2500万人となり、現在の人口(14億人)の60%以上減少する」との推計を発表しており、さらに厳しい予測となっている。