インドネシア当局は6月下旬、同国の代表的な観光地であるバリ島を拠点に、オンライン犯罪に関与した疑いで台湾籍の103人の男女を逮捕し、観光目的のビザを悪用したとして、国際刑事警察機構(インターポール)に引き渡し、強制送還していたことが分かった。AFP通信などが報じた。
インドネシアでは以前から台湾人や中国人が観光ビザで入国し、特殊詐欺などで摘発される事件が起こっているが、100人以上の台湾籍の市民が逮捕されるのは初めてだという。
逮捕されたのは男性91人、女性12人で、強制送還される前にデンパサールの移民収容所で身柄を拘束されていた。
インドネシアのブディ・アリー・セティアディ通信情報相によると、このグループはインドネシアの国立データセンターをハッキングし、データを暗号化、それと引き換えに800万米ドル(約12億8000万円)を要求していたという。
政府高官が交渉を続けて時間稼ぎをしている間に、当局が一味のアジトを割り出し、警官数百を動員して、一斉逮捕した。また、犯罪グループが使っていたノートパソコン数十台や携帯電話450台などを押収している。
インドネシア当局によると、台湾人の犯罪グループは国際的なサイバー犯罪にも関与している疑いが強く、こうした目的で観光ビザでインドネシアに入国している台湾人もいるとされる。