NHK連続テレビ小説『虎に翼』での轟太一役が好評な戸塚純貴。数多くの作品に引っ張りだこの戸塚の魅力について、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが綴る。
東日本大震災をきっかけに芸能界に挑戦することを決意
日々、寅子を懸命に演じている伊藤沙莉サン(30才)はもちろん、猪爪家の人々や明律大学の仲間たちの“その後”に共感したり、感動させられたりするNHK連続テレビ小説『虎に翼』の後半戦。
すっかり更生した道男(和田庵クン・18才)や寅子の再婚相手だというにおいがプンプンする航一(岡田将生サン・34才)。さらには調停委員役の清水伸サン(52才)の登場に、「あ! 『ニトリ』のCMに出ている人だ!」とニンマリするなど、キャストにまつわる“お楽しみ”も続いていて、一瞬たりとも見逃せない。週間視聴率ランキングでもトップに君臨し続けるなど、早くも「朝ドラ史上No.1」なる声も聞こえてきます。
そんな中、登場シーンに思わずキャッと声があがってしまうのが「#俺たちの轟」こと戸塚純貴サン(31才)です。
その戸塚サンが6月28日、『あさイチ』(NHK)の「プレミアムトーク」に出演した際の視聴者のかたからのリアクションを拝見し、すっかり国民的俳優になられたのだなとウルウルしてしまいました。
番組冒頭から伊藤サンや弁護士事務所のバディ・よね役の土居志央梨サン(31才)から、戸塚サンの魅力的な素顔についてのタレコミが連発。なかでも、撮影が7時間も空いてしまった際に、土居サンとずっとおしゃべりをしていて、ついには「ルームシェアしよう」という話にまでなったとか。誕生日が同じ年の1日違いだという土居サンには、もう結婚しちゃえ! と思ってしまいました(笑い)。
戸塚サンは自動車整備士になるため専門学校に通っていたのに、息子を何としてでも芸能界に入れたいと考えていらしたお母さまが『第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』に推薦応募。
「理想の恋人賞」を受賞し、あれよあれよという間に話は進んでいきましたが、事務所に入るために岩手から上京する3日前に東日本大震災が起こって、3か月間、家から出られなくなった……と。
周辺の景色がまるで変わったのを見て、やろうとしてこなかったことに挑戦しようと上京したという話には、阪神・淡路大震災を経験し、ご両親の猛反対を押し切って芸能界入りした藤原紀香サン(53才)を重ねました。大変な環境の中で決意をされたかたというのは本当に強いです。
それでも、天然っぽい言動と優しさはずっと変わらず、『あさイチ』でも、リモートでコメントするお母さまのVTRを見ながら、「これっていまですか?」と博多華丸・大吉サンに質問したり、後半の「特選!エンタ」で紹介されたホラー映画に「この先は?」とネタバレをせがんだりと、かわいい戸塚サンに何度もほっこりさせられたものです。
経歴をたどれば、本当に多くの作品に出演されているのがわかる戸塚サンですが、たとえば連続ドラマでは、「第○話」と記されているものが少なくありません。つまり、レギュラーではなくゲスト出演。でも姿を見つけるたびに「あ、あの人」「知ってる」「好きかも」と名前をチェックしたかたは多いのではないでしょうか。