スポーツ

【夏の甲子園予選が佳境】高校野球の審判に求められる「教育的指導」の役割「監督ではなく選手が抗議」のルールにも意図がある

甲子園を目指し、高校球児たちの熱い戦いが続く(PIXTA)

甲子園を目指し、高校球児たちの熱い戦いが続く(PIXTA)

 各地で「第106回全国高校野球選手権大会」の都道府県大会が行なわれている。酷暑のなか、8月の甲子園大会を目指す球児とともに、長時間にわたってグラウンドに立ち続けるのは数多くの審判員だ。プロ野球の審判員と異なり、彼らは“ボランティア”である。60歳を超えた今もアマチュア野球の審判員として活動する内海清氏に、『審判はつらいよ』の著者・鵜飼克郎氏が聞いた。(全4回シリーズの第1回。文中敬称略)

 * * *
 1世紀以上の歴史を持つ春夏の甲子園は全国中継され、毎年、多くの人々が声援を送る。日本野球の嚆矢である大学野球は、かつてプロ野球以上の人気を誇った時期もある。

 だが、アマチュア野球審判の“オフィシャルな歴史”は意外と浅い。

 アマチュア野球規則委員会の公認審判員ライセンス制度がスタートしたのは2015年。講習を受講して審判の技術と見識を身につけると、各都道府県の審判員組織の認定によって3級審判員の資格を取得できる。3級取得から3年以上の実績を積んでペーパーテストと実技テストを受けて2級に昇格。さらに2級で3年以上の実績を積んで1級への昇級テストに合格すると、大学選手権など全国大会での審判員を務めることができる。

「私が審判となった頃は野球経験や職業をチェックされましたが、資格や試験といったものはありませんでした。ライセンス制度ができた2015年、すでに私は大学野球の全国大会で実績を積んでいたので、いきなり1級審判員に認定されました」

 そう語るのは、県立尼崎高校野球部で甲子園を目指し、大学、社会人(軟式)とプレーした後に高校・大学野球の審判員となった内海清だ。主将を務めた大阪経済大学時代には、関西六大学野球リーグで優勝した経験もある。1994年に31歳で社会人野球を引退。審判員となった後は、信用金庫勤務の傍ら、週末を中心に年間80試合ほど審判員を務めた。2019年に尼崎駅前にバーを開店してからは、夏の地方大会が始まると平日も審判員としてグラウンドに立ってきた。

関連記事

トピックス

テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
福地紘人容疑者(共同通信社)
《“闇バイト”連続強盗》「処世術やカリスマ性」でトップ1%の “エリート模範囚” に…元服役囚が明かす指示役・福地紘人容疑者(26)の服役少年時代「タイマン張ったら死んじゃった」
NEWSポストセブン
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン