芸能

【『踊る大捜査線』続編計画】本命は当初から“織田裕二主演による続編” 「柳葉さんがやるなら…」と織田裕二も前向きに検討か

フジテレビが説得を続ける織田

フジテレビが説得を続ける織田

 日本映画界に燦然と輝く金字塔である『踊る大捜査線』シリーズ。フジテレビが社運を賭けるこのプロジェクトが再び動き出し、水面下では主要キャストの出演交渉が続いている。早々に出演を決めた者、揺れ動く者、固辞する者。続編計画の最前線に迫る。【前後編の前編。後編を読む

 美しい湖を望むウッドデッキでソファに座り、読書をしてくつろぐ中年男性。警察庁を退職し、故郷・秋田で静かに暮らす彼の存在を地元の人々は快く思っていなかった。平穏な日々は長く続かず、次第に事件の影が忍び寄る──。

 1997年にフジテレビで放送されたドラマ版が最終回を迎えてから27年。2012年に公開された劇場版『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』で完結した人気シリーズが約12年ぶりに“再始動”する。

 フジテレビが鳴り物入りで発表した《踊るプロジェクト再始動》の第1弾は、柳葉敏郎(63才)が演じる元警察官僚、室井慎次のその後を描いた最新作。2部作が10月と11月に立て続けに公開される。

 6月下旬に東宝MOVIEチャンネルがアップしたティザー映像には柳葉のほか、いしだあゆみ(76才)や飯島直子(56才)ら、これまでのシリーズに出ていない新しいキャストが次々に登場した。

「柳葉さんと同じく秋田出身の佐々木希さん(36才)や生駒里奈さん(28才)の出演も発表されましたが、『踊る〜』ファンが期待する織田裕二さん(56才)が扮する青島俊作刑事については何のアナウンスもありません。深津絵里さん(51才)が演じた女性刑事の恩田すみれも同様で、4種類目まで公開されたティザー映像にも、2人の姿は映っていませんでした」(映画担当記者)

 今回の新作はあくまでも本編から派生したスピンオフ。織田と深津は2005年に公開された『容疑者 室井慎次』にも出演していないため、2人が友情出演する可能性も低い。それでもフジが「続編は絶対に作らない」と断言していたシリーズを十数年ぶりに“再始動”した以上、プロジェクトが室井のエピソードだけで終わることはないだろう。

「当初から製作サイドの本命は、あくまでも織田さんの主演による続編でした」

 そう語るのは事情を知る映画関係者だ。

「フジは早い段階から織田さんをはじめ湾岸署のメンバーに出演を打診していました。難色を示すキャストも少なくなかったものの、真っ先に出演を決めた柳葉さんの出演作品を製作するところからプロジェクトが本格的に動き始めたのです。それを知った織田さんも、『柳葉さんがやるなら……』と続編の製作を前向きに検討するようになったと聞いています。

 一部で織田さんがオファーを蹴ってフジと決裂したと報じられましたが、実情は逆のようです。再来年をめどに青島刑事を主役にした続編が製作される可能性は充分にあります」

「現場の気持ちはバラバラ」

 複数のスペシャルドラマや4本の劇場版が製作された『踊る~』シリーズは、東京・お台場にある架空の警察署「湾岸署」を舞台に、本庁と所轄の力関係や、警察官僚が掌握する組織の実態を描いた異色の物語。ドラマ版の最終回は視聴率21%を超え、翌年公開された劇場版も大ヒットを記録した。

「1998年に公開された『踊る大捜査線 THE MOVIE』が興行収入100億円を突破。続く2003年の第2作『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』は、前作を大幅に上回る173億円超を記録し、実写邦画としては歴代最高の金字塔を打ち立てました。このときの記録は20年以上が経ったいまも破られていません」(前出・映画担当記者)

 前出の『容疑者 室井慎次』も興収38億円を超え、一連のシリーズを製作するフジテレビにとっては莫大な利益を生みだすドル箱のコンテンツとなった。

「ドラマ版から作品に深くかかわってきたBSフジの亀山千広社長が、今回の『踊るプロジェクト』にプロデューサーとして名を連ねていることからも、フジ側の熱意が伝わってきます。何年もの間、現場を離れていた亀山さんが最新作ではイベントや番宣にも積極的に顔を出している。フジの本業である放送事業が低迷しているいまこそ、“踊るバブル”をもう一度再現したいという思惑があるのかもしれません」(フジテレビ関係者)

 プロジェクトの成功には、青島刑事の存在が欠かせない。織田にとっても『踊る?』シリーズは間違いなくキャリアを代表する作品のひとつ。長年、柳葉との確執が取り沙汰され、そのことが織田が『室井~』に出演しない原因ともいわれてきたが、いまではわだかまりはないという。

「共演NG説が報じられたきっかけは、柳葉さんが2007年に秋田の地方紙のコラムに書いた織田さんとのいさかいでした。無骨なキャリア官僚を演じるために、自分なりに演技を追求していた柳葉さんが、織田さんから『それ違うんじゃない』と言われ、《ぶっちん》ときてしまったそうで、ドラマ版の2話目でプロデューサーに『もうやってられない』、『殉職させてくれ』と嘆願したというのです」(芸能リポーター)

 もっとも、その一件が“室井”の人間形成に役立ったらしく、柳葉は同じコラムで《当時は顔も見たくなかったけど、いまは織田君に感謝です》と明かしている。

「2010年に『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』が公開された際には、舞台挨拶でガッチリ握手しています。お互いに20年以上前のことを引きずるような年齢でもないですしね」(前出・芸能リポーター)

後編へ続く

※女性セブン2024年8月1日号

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン