スポーツ

【パリ五輪・高飛込】17歳・玉井陸斗、“69歳差の師匠”馬淵かの子コーチと目指す日本選手初のメダル「天才的でいて練習熱心。こんな子は見たことない」

2022年7月の水泳世界選手権(ブタペスト)10m高飛込で15歳ながら銀メダルを獲得。帰国後、馬淵コーチに報告した。五輪、世界選手権を通じて日本人初の表彰台だった(写真提供/馬淵かの子氏)

2022年7月の水泳世界選手権(ブタペスト)10m高飛込で15歳ながら銀メダルを獲得。帰国後、馬淵コーチに報告した。五輪、世界選手権を通じて日本人初の表彰台だった(写真提供/馬淵かの子氏)

 パリ五輪で表彰台入りが期待される選手の指導者のなかには、かつて同種目で五輪に出た往年の名選手もいる。大舞台に立ったコーチだからこそ見抜ける現役選手の才能や課題がある。志を若手に託す“オリンピアン師弟”を取材した。

「これからなんべんも五輪に出るやろうけど、私にはあんまり時間がないんよ。今回メダルを獲ってもらわんと、あと4年いわれたら困るで……と脅してるんです」

 そう教え子にエールを送るのは、玉井陸斗(17)を飛込にスカウトした馬淵かの子(86)。メルボルン、ローマ、東京と3大会続けて五輪代表となった飛込界のレジェンドで、現役のコーチ。玉井とは69歳差の師匠となる。

 馬淵コーチはメダルが期待された1964年の東京五輪で声援のプレッシャーに圧されて7位に終わり、14歳の玉井も初出場となった2021年の東京五輪で同じく7位だった。

「五輪には経験豊富な子も、駆け引きが上手な子もいる。“メダルメダルと騒いでいたら恥をかくよ”と言っていたんですが、“恥かきました”と笑って帰ってきました(笑)。私は最後の五輪で7位、陸斗は初めての五輪で7位。この経験がパリで生きるんやないかと思う」

 玉井が飛込競技を始めたのは小学1年生。5年生まで基礎を教えてシニアクラスに送り出すのが馬淵コーチの役目だが、玉井は2年も早く3年生で卒業した。

「とにかく頭のいい子で、コーチが何を要求しているかがわかる。私はたくさんの五輪選手を送り出してきたけど、陸斗は天才的。それでいて練習熱心だなんて、こんな子は見たことがない。

 練習は早朝と夜の1日2回。学校に行っている時以外はいつもプールにいて、人の3倍のスピードで上達しました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン