芸能

秋吉久美子、“推しメン”安冨歩・東大名誉教授と語る“生きる力” 「私たちを支えている何らかの神秘的な力を受け入れないといけない」

女優・秋吉久美子の推しメンは安冨歩さん

女優・秋吉久美子の推しメンは安冨歩さん

 いまや空前の“推し活”ブーム。この潮流は、通常なら推される側である著名人にも波及しており、女優・秋吉久美子にもいま、推してやまない御仁がいるという。それが、東京大学名誉教授で経済学者の安冨歩さんだ。

「毎晩、安冨先生のYouTubeを見ないと寝られないくらいなんですよ」と語るほどの熱中ぶりを聞いた女性セブン編集部は、安冨さんが暮らす大分県の山中に、秋吉を連れ出した。秋吉と安富さんが“私の推しメン対談”として、“生きる力”について語り合う。【全3回の第2回。第1回を読む】

先生は言行一致だからこそ清々しい

秋吉:お会いしてみて改めて、先生は朗らかで清々しいかただと実感しました。口先だけで物申すのではなく、自ら女性装をなさるなど、男性的な行動力と女性的な感受性で生きられている。そうしようという果断が清々しい。勇敢ですよね。千の言葉を重ねるよりも説得力があります。

 日本の男女格差【※注】は先進国はもちろん、韓国や中国、ASEAN諸国より低い146か国中118位。

【※注/世界経済フォーラム(WEF)が2024年6月、「The Global Gender Gap Report 2024」を公表し、その中で、各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数を発表】

 女性とはこういうものだと定義づけられ、女性側も男性が求める女性を演じてみせて……。だからいつまでたってもジェンダー格差が埋まらないって私は思うんです。そんな悲しい日本の中で、先生は誰かに与えられた役割やイメージではなく、自分の生き方を貫いていらっしゃる。

 著書の内容も、YouTubeでおっしゃっていることも、ご自身のライフスタイルに組み込んで実践している。お話の間口は広いのですが、最終的におっしゃりたいことは、人間が自由に生きるためにどうすべきか、につながっていく。そのブレない生き方に惹かれました。
 
〈秋吉も安冨さん同様、かつてマネジャーから“魔性の女”という女性像を無理やり押し付けられ、自分を抑え込んで生きてきたという。そのため、安冨さんの抑圧されてきたがゆえのつらさに共感できると続ける〉

安冨:ありがとうございます。私が言いたいのは、人にはもともと“生きる力”がある、ということ。私たちには、私たちを支えている何らかの神秘的な力があるのだから、それを受け入れないといけないのに、そんなものはないと思い込んでしまう。そうなると支えが失われ、常に不安がつきまとう。その結果、生きづらいと感じてしまったり、不安を解消するために暴力をふるってしまったりするわけです。

秋吉:その神秘的な力とは何ですか? 宗教?

安冨:そうですね、支えてくれていると信じられるものですから、“神”と言えなくもないのですが、的確に表せる言葉がありません。

秋吉:名付けられないものの、人間には生きるための力が備わっているから、それを信じて受け入れれば不安にならない、ということですか。

安冨:そうです。

秋吉:その生きる力を信じて受け入れるには、どうしたらいいのでしょう?

安冨:人の目より、自分の感覚をまずは信じるべきだと思います。私は絵を描いたり、バイオリンを弾いたりもしているのですが、どれも上手とは言えない。

 でもいいんです。人からどう思われるのか、恥ずかしいなどと他人の評価を気にしてはいけません。バイオリンもやってみたら、やらないときよりも一歩前に進みます。耳も肥えて、ますます自分の演奏が下手に思えるんですけど、バッハの曲がより深く理解できたりします。何事もやってみないとわからないんです。その上でよく考え、それでもわからなければ、人に聞くんです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

還暦を過ぎ、腰に不安を抱える豊川悦司
豊川悦司、持病の腰痛が悪化 撮影現場では“トヨエツ待ち”も発生 共演の綾野剛が60分マッサージしたことも、華麗な手さばきに山田孝之もほれぼれ
女性セブン
「DA PUMP」脱退から18年。SHINOBUさんの現在をインタビュー
《離島で民宿経営12年の試行錯誤》44歳となった元「DA PUMP」のSHINOBUが明かした沖縄に戻った理由「念願の4000万円クルーザー」でリピーター客に“おもてなし”の現在
NEWSポストセブン
葉月里緒奈の現在とは…
《インスタでぶっちゃけ》変わらない葉月里緒奈(49)「映画はハズレだった」「老眼鏡デビュー」真田広之と破局から“3度目結婚相手”までの現在
NEWSポストセブン
日本人俳優として初の快挙となるエミー賞を受賞した真田広之(時事通信フォト)
《子役時代は“ひろくん”》真田広之、エミー賞受賞の20年以上前からもっていた“製作者目線” 現場では十手の長さにこだわり殺陣シーンでは自らアイディアも
NEWSポストセブン
主人公を演じる橋本環奈
舞台『千と千尋の神隠し』中国公演計画が進行中 実現への後押しとなる“橋本環奈の人気の高さ” 課題は過密スケジュール
女性セブン
10月には2人とも33才を迎える
【日本製鉄のUSスチール買収】キーマンとなる小室圭さん 法律事務所で“外資による米企業買収の審査にあたる委員会”の対策を担当 皇室パイプは利用されるのか
女性セブン
殺人と覚醒剤取締法違反の罪に問われた須藤早貴被告
「収入が少ない…」元妻・須藤早貴被告がデリヘル勤務を経て“紀州のドン・ファン”とめぐり会うまで【裁判員裁判】
NEWSポストセブン
自身の鍛えている筋imoさ動画を発信いを
【有名大会で優勝も】美人筋トレYouTuberの正体は「フジテレビ局員」、黒光りビキニ姿に「彼女のもう一つの顔か」と局員絶句
NEWSポストセブン
シンガーソングライターとして活動する三浦祐太朗(本人のインスタグラムより)
【母のファンに迷惑ではないか】百恵さん長男の「“元”山口百恵」発言ににじみ出る「葛藤」とリスペクト
NEWSポストセブン
中山秀征にいじられた柏木由紀(時事通信フォト)
《すがちゃん最高No.1と熱愛》柏木由紀、事務所の大先輩中山秀征の強烈イジリ「ラブ&ゲッチュ」に体くねらせて大照れ
NEWSポストセブン
交際中の綾瀬はるかとジェシーがラスベガス旅行
【全文公開】綾瀬はるか&ジェシーがラスベガスに4泊6日旅行 「おばあちゃんの家に連れて行く」ジェシーの“理想のデートプラン”を実現
女性セブン
羽生結弦(時事通信フォト)の元妻・末延麻裕子さん(Facebookより)
【“なかった”ことに】羽生結弦の元妻「消された出会いのきっかけ」に込めた覚悟
NEWSポストセブン