今年3月に中国人民解放軍に入隊した19歳の男性があまりの訓練の厳しさに耐えられず、すぐに「兵役拒否」の姿勢をとり、2か月後の4月30日に除隊できたものの、その代わりに約4万8000元(約100万円)の罰金を支払わされたことが分かった。
このほか、懲罰処分として、公務員への採用禁止や今後2年間の海外旅行禁止などの懲罰処分が下された。香港紙「星島日報」が報じた。
この男性は山東省徳州市武城県出身の王氏で、大学卒業後、自主的に徴兵に志願し、今年3月、県政府の入隊事務所から入隊が承認された。
しかし、訓練の厳しさに、すぐに除隊を申し出たところ、軍部隊や同県の軍徴兵事務所などから、兵役を拒否した場合、厳しい罰則が科されることを伝えられ、除隊を思いとどまるよう執拗に説得された。
王氏はそれでも除隊の意思を撤回しなかったため、除隊は許可されたものの、「中華人民共和国兵役法」と「中国人民解放軍徴兵労働条例」違反により、「兵役拒否」の懲罰を受けることになった。
具体的には、兵役に就いた市民の家族への税金の免除額2年分などの罰金4万8586元の支払い、および「徳州市兵役拒否者名簿」に登載され、公務員への採用資格を失うことなどの懲戒処分が下されることになった。
2023年にも同じように軍隊生活になじめず除隊した20代の男性に、罰金や就職の制限、ローンの利用禁止などの厳しい罰が科されたと湖北省の地方政府が発表し話題となった。
中国では徴兵制が敷かれているものの、ほとんどは志願兵で充足できてきたが、社会が豊かになる中で新兵の確保は年々難しくなりつつあるようだ。