思いもよらない一言がチームワーク崩壊の危機を招いている。体操女子日本代表のエース宮田笙子(19才)が喫煙と飲酒を認め、出場辞退となった事件。日本体操協会は7月19日に会見を開き、経緯を説明したのだが、火に油を注ぐ結果となった。
「会見で、宮田さんの喫煙発覚は“内部リーク”によるものだと明かされたのです。さらに報道陣から突っ込んだ質問が飛ぶと、“通報してもらったかたの立場も保護しなければいけない”と余計な一言を言ったものだから、“協会は通報者を知っている”“リーク犯は選手か協会関係者じゃないか”などと、インターネット上で“犯人探し”が始まってしまったのです」(体操関係者)
今回の体操女子は5人全員が10代。19才ながら最年長で主将を担った宮田の不在は、チーム全体に影を落としかねない。
「補欠帯同している杉原愛子選手(24才)は、東京五輪も経験しており頼もしい存在ですが、補欠はけがなどでない限り繰り上がらず、彼女は出場できません。残された若い4人は動揺し、杉原選手も落胆する事態となり、チームに漂う空気は最悪で八方ふさがりです」(前出・体操関係者)
未成年の飲酒・喫煙は許される行為ではないが、体操関係者の間からは「10年前なら見て見ぬふりをしたのでは」という声も聞こえてくる。元体操選手で五輪メダリストの池谷幸雄さん(53才)が言う。
「ぼくの現役時代、たばこを吸う選手は少なくありませんでした。体操は小さなミスも許されないという精神的負担や、落下によるけがなどの恐怖心が伴う競技です。そうしたストレスや重圧から逃れるためのリラックス法だったのでしょう。ぼくは吸わなかったけど、“1種目終わったら1本”はよく見た光景でした」
2016年に行動規範が設けられ、日本代表としての活動の場では20才以上でも飲酒と喫煙は禁止された。
「喫煙だけは“段階的に”という注意書きがありました。当時の代表選手の多くが喫煙者だったからでしょう。もう“腐れ縁”ですね」(別の体操関係者)
海外では「たばこで辞退は行きすぎだ」などと報じられ、予想外の形で注目を集めている体操女子日本チーム。若き4人はこの窮地をバネに躍動するしかない。
※女性セブン2024年8月8・15日号