香港で行われたバレーボールの国際試合で中国国歌「義勇軍行進曲」を侮辱したとして告発された男性が、7月下旬の裁判で有罪判決を受けていたことが明らかになった。判決の量刑は8月にも決定されるという。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。
有罪判決を受けたのは陳氏という男性だ。昨年6月16日に香港で行われたバレーボール女子の国際試合、中国対ブルガリア戦の開会式で中国国歌「義勇軍行進曲」が演奏された際、陳氏は耳を覆ったのち、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の曲「Do You Hear the People Sing?(民衆の歌声が聞こえるか?)」を大声で歌ったという。
この「Do You~」は2010年代の香港の民主化デモでよく歌われたもので、民主化実現を象徴する曲である。この陳氏の行為が「故意に国家を侮辱した」とみなされ、立件されていた。
香港の立法評議会(議会に相当)は2020年6月、「義勇軍行進曲」を侮辱することを犯罪とする条例を可決し、違反者には最高5万香港ドルの罰金または3年以下の懲役が科せられることを定めている。
ただし、陳氏は精神的な疾患を持っていたという弁護側の主張もあり、量刑が軽くなるとみられている。
香港では、今年6月6日、サッカーワールドカップアジア2次予選の香港対イラン戦で国歌斉唱時に起立しなかったとして香港人3人が国歌侮辱の疑いで逮捕されており、当局の締め付けが強まっているようだ。