7月21日、東京で開催されたイベントで「パリにはちょっと今回、行けないですけど、日本でいろいろな仕事をして、日本で応援したい」と語ったのは、女子レスリングで五輪3連覇を果たした吉田沙保里(41)だ。“霊長類最強女子”の姿は、パリにはないのだ。
NHKは体操の内村航平(35)、日本テレビは競泳の萩野公介(29)、フジテレビは卓球の石川佳純(31)など、テレビ各局が五輪メダリストを「中継キャスター」に起用し、パリに送り込んでいる。にもかかわらず、実績も知名度も抜群で、前回の東京五輪では日テレのキャスターに起用された吉田が日本に留まっているのだ。テレビ局関係者が語る。
「吉田さんは気さくで人当たりが良く、テレビ慣れしているのでスタッフからも信頼されているのですが、やはり五輪3連覇のレジェンドでタレントとしても“最強”だとどうしてもギャラ(出演料)が高くなる。そうした理由からオファーを見送ったところもあったようです。
パリ五輪はどの局も円安の影響も大きく制作費削減を強いられていたので、現役を引退したばかりの“若手”の起用が多かった印象です」
すでにバラエティ番組や情報番組でタレントとしても活躍している吉田だからこそ、五輪レポートでの起用が躊躇されるところもあるのだという。前出のテレビ局関係者が続ける。
「アスリートとして国民栄誉賞を受賞し、芸能界の人脈も豊富な吉田さんは、若手の現役選手にとっては凄すぎる存在。そんな吉田さんにインタビューされるとなると、現役選手は萎縮してしまったり、どうしても吉田さんのほうが注目されてしまったりすることもあります。制作費の事情で、現地のキャスターやスタッフの人数が絞られる中で、局側も吉田さんの起用については遠慮したところはあるのでしょう」
普段は大物アスリートや芸能人との煌びやかな交流の様子を続々とインスタグラムに投稿している吉田。だが、7月26日にNHKが生放送した『パリオリンピック2024 開幕直前スペシャル』にゲスト出演したことを報告して以降は、自身が出演するCM、黙々とカーペットを貼る動画、ギターの弾き語り動画や愛犬の画像などを公開している。
「(24時間限定の)ストーリーズで阿部一二三選手に向けて〈一二三くん!金メダルまであと1つ!〉〈詩ちゃんの分まで頑張って〉と応援する画像を載せていましたが、あとは控えめです。
日本から応援しつつも、今まさに主役の選手や後輩アスリートより目立ってしまわないように配慮しているのかもしれませんね」(同前)
※週刊ポスト2024年8月16・23日号