2020年6月、香港の民主化運動を規制する国家安全維持法の制定に抗議行動を行い、その後、海外に逃亡していた当時20歳の学生が7月中旬、4年ぶりに香港に戻ってきたことを香港警察に察知され、滞在先で逮捕されていたことが明らかになった。
警察は香港国際空港の監視カメラをチェック。男性が4年前のデモ参加者だったことを突き止めたとみられ、その執拗な捜査ぶりに驚きが広がっている。香港各紙が報じた。
逮捕された男性は香港・九龍地区のショッピングモールで、他の学生ら100人以上とともに抗議デモを行い、警官隊と衝突し、警官を負傷させた容疑で逮捕状が出ていた。このため、男性は知人を頼ってオーストラリアに出国。その後、英国で市民権を得て生活していた。
男性は今年7月中旬、当時の知人と連絡を取り合い、香港に到着し、数日間、ホテルで滞在していたが、そこで警察に踏み込まれて、逮捕されたという。
警察は2020年6月のデモで逮捕していた他の学生の情報から男性の存在を知り、逮捕状をとっており、空港の監視カメラをチェックしていたとみられる。
男性は4年の空白期間を経て起訴され、7月24日に行われた観塘治安判事裁判所での審理の模様は多くの香港メディアが報じた。
このような香港警察の捜査について、当時デモに参加していた海外移住者は警戒感を強めており、在英国華僑協会が2021年以降に香港から英国に移住した657人を対象にアンケート調査をおこなったところ、8割は「英国に永住」、4割は「何があっても香港には戻らない」と回答している。