五輪という晴れ舞台に上がるためには、その道程でいくつもの“激しい戦い”を勝ち抜く必要がある──。それは何も選手に限ったことじゃない。少ない枠を争ってパリに辿り着いたのがテレビ朝日の現地キャスターを務める安藤萌々アナ(26)だ。テレビ朝日の男性局員が言う。
「安藤アナは『報道ステーション』のメインキャスターを務めていますが、同じ『報ステ』のスポーツ担当であるフリーのヒロド歩美アナ(31)とどちらがパリへ行くかギリギリまで決まらなかった。ヒロドアナは朝日放送の局アナ時代から『熱闘甲子園』を長年担当しており、スポーツの大型大会の現場取材に定評があります。局内でも“どちらが行ってもおかしくない”という空気でしたが、安藤アナは周囲に『行かせてください』とアピールし続けていたそうです」
「テクニカルなことよりもまず内容の理解を」
それもそのはず、安藤アナは成蹊大ゴルフ部の主将を務めた体育会系で、ベストスコアは「78」だという。学生の頃から「スポーツアナ」を志して、2020年に憧れのテレ朝に入社した。今回は五輪キャスターという夢が叶ったわけだが、その第一歩とも言える最難関のアナウンサーの就活を乗り越えられたのは、アナウンススクールで「ある先輩アナ」から受けた厳しいアドバイスのお陰だと、入社2年目に本誌『週刊ポスト』のインタビューで語っていた。
〈授業では弘中綾香アナが講師に来てくれて、学生の私は“Mステのアナウンサーだ!”と大興奮でした。でもそれも束の間で、「文字に追われていて内容が頭に入っていない。テクニカルなことよりもまず内容の理解を」といった厳しい講評をいただきました〉(2021年4月23日号)
この講評で〈力不足を痛感した〉という安藤アナは自己PRのために「萌え萌えと書いて“もも”です!」というつかみの挨拶を考案したという。現地入りを勝ち取ったアピール力は、今や局を代表する人気アナウンサーとなった偉大な先輩の教えをベースに培われたものなのだろう。
※週刊ポスト2024年8月16・23日号