《7月4日 千葉県東方沖で発生したM5.4の地震の予兆 3日前にネコ(東京、千葉在住)の活動量に顕著な変化がありましたので報告します》
地震の予兆を研究する「一般社団法人地震予兆研究センター」が、7月10日にXの公式アカウントでそう報告した。同センターは2年ほど前に、「猫の活動量」と地震発生の関連についての研究を開始。1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で飼育されている約30匹の猫の首輪に「活動量計」という機械を装着し、ジャンプ回数などの「活動量」を測定してきた。事務局長兼主任研究員の山内寛之さんが解説する。
「今回の千葉県東方沖地震の発生3日前から活動量が明らかに多く、なかでもジャンプの回数が通常時を大幅に上回っていたんです。実はこの“予兆”は今回が初めてではなく、昨年11月〜今年3月にかけて関東で3回発生した、最大震度4以上の大きな地震でも確認しています」
同センターが発表したデータによると、1月28日に東京湾を震源とした震度4の地震、2月29日から千葉県東方沖で断続的に発生した震度4の地震、そして3月21日に震度5弱を観測した茨城県南部での地震のそれぞれ2〜3日前に、猫の活動量が増加していた。
「地震が発生する前には、地中で岩石が砕けることで低い周波数の“電磁波”が発生するとされています。猫は静電気を不快に感じるなど、電気を帯びたものには敏感。地震発生前の電磁波を感じ取ってその場から逃げようと走り回ったり、ジャンプなどの激しい動きをいつも以上に繰り返したのではないかと考えています。異変を感知する能力は猫によっても違いがあり、血統種よりも雑種の方が鋭いかもしれません」(山内さん)
一般社団法人ペットフード協会が発表した2023年の調査によれば、猫の推定飼育数は全国で約906万9000匹で、前年から約23万匹増加した。言い換えれば、これだけ多くの“地震予知スポット”があるといえる。
動物の異常行動と地震発生の関係を研究する「大気イオン地震予測研究会e-PISCO」理事長の矢田直之さんは、猫の活動量と地震の関係性を前向きに捉えた上で、地震予知の未来に言及する。
「インターネットやSNSを用いて、“今日はうちの猫がいつもより激しく動いていた”などと情報を共有することで、全国規模でかなり正確に場所や日にちの予知が可能になると考えています。以前からナマズやネズミを使った研究が行われてきましたが、ペットとして身近な猫の方が多くの情報が集まり、地震を予知する精度が高くなります」
癒しを与えてくれるだけでなく、猫は地震の警鐘も鳴らしてくれる。
※女性セブン2024年8月22・29日号