パワハラなどの疑惑を内部告発され、渦中にいる兵庫県・斎藤元彦知事。8月23日には調査特別委員会である「百条委員会」の証人尋問が行なわれ、県職員を対象としたアンケートの「中間報告」も公開された。
アンケートでは職員の約4割が斎藤氏のパワハラを「見聞きしたことがある」と回答しており、知事の辞職を求める声が広がっている。一方で知事はいまだ自身の進退について言及しておらず、県庁内部でも「動揺は広がっている」(県職員)という。大混乱を引き起こした斎藤氏は、そもそもどういうキャリアを歩んできたのか。【前後編の前編】
兵庫県神戸市須磨区で生まれた斎藤氏。祖父は、地元・長田区と須磨区で事業を行なうケミカルシューズの製造会社の社長だった。斎藤氏を幼少期から知る地元の知り合いが語る。
「実家は約120坪もある大きな家で、おじいさんを中心にいとこの世帯も一緒に住んでいました。元彦くんは親しい間柄の人には『もっちゃん』と呼ばれていましたが、親族の中でも一番のイケメンだと言われて、特におじいさんから相当可愛がられてましたね。勉強も同級生と比べて頭ひとつ抜けていました」
不自由ない幼少期を過ごした斎藤氏は中学受験をし、愛媛県の中高一貫校に合格。6年間の寮生活と地元での浪人生活を経て、東京大学の文科二類に合格した。
大学時代について斎藤氏は、自身の公式ウェブサイトで〈気ままに暮らし、あまり授業に出席しない日々でした〉と振り返っている。一方でこの頃から、表に出ることには積極的だったようだ。